【東京】劇団文化座(東京、佐々木愛代表)は2月2日から、池袋の東京芸術劇場シアターウエストで演劇「命ぬちどぅ宝」を上演する。米軍の強制土地収用に対する「島ぐるみ闘争」が燃えさかった1950年代を舞台に、住民を率いて活動した阿波根昌鴻さん、瀬長亀次郎さんの生きざまを描く。佐々木さんは「過去をひもときながら沖縄が今、何のために闘っているのか正しい理解につながれば」と期待を込めた。(東京報道部・宮城栄作)

阿波根昌鴻さんと瀬長亀次郎さんの生きざまを描いた「命どぅ宝」の稽古に励む劇団文化座の俳優ら=20日、東京・北区の劇団文化座

「県外での沖縄への理解を深めたい」と作品の意義を語る文化座の佐々木愛代表

阿波根昌鴻さんと瀬長亀次郎さんの生きざまを描いた「命どぅ宝」の稽古に励む劇団文化座の俳優ら=20日、東京・北区の劇団文化座 「県外での沖縄への理解を深めたい」と作品の意義を語る文化座の佐々木愛代表

 42年に創設された文化座は、これまでたびたび沖縄の歴史や社会をテーマにした演目を上演してきた。「命どぅ宝」は9本目で、創立75周年記念の第1弾として上演する。

 物語は、銃剣とブルドーザーで米軍に土地を奪われた農民と一緒に抵抗を続ける阿波根さんと、米軍からの弾圧を受けながらも民衆の支持を集めていた瀬長さんが、「島ぐるみで団結すべきだ」と一緒に米軍に立ち向かっていく内容。現在も支持を集め、多くの県民の心に残る2人の圧政に抗する不屈の精神と、弱者の側の視点をどのように培ったかを描いているという。

 物語の場面やセリフなども史実に基づいており、「沖縄の人が見ても恥ずかしくない舞台」と自信を語った。自身も生前の瀬長さんと対談し、演説を聞いたこともある佐々木さんは「2人の言葉は単純明快で示唆に富む。人々に語り掛けて心を動かす、こんなスケールの大きな人たちがいたことを知ってもらいたい」と話した。

 基地問題を巡る沖縄の反対運動がゆがめられて伝えられている現状を懸念。「沖縄の人たちはなぜ座り込むのか。大きな権力に対し、人権や生活、自然を守るためにずっと抗議し続けていることを、演劇を通して分かってもらいたい」と来場を呼び掛けた。

 公演は12日まで12回上演する。日程や観劇などの問い合わせは同劇団、電話03(3828)2216。