ニッポン放送アナウンサー 垣花正さん(45)=宮古島市出身

 月曜から金曜日、ラジオ局の顔ともいえる朝の生番組でパーソナリティーを務める。さまざまなゲストと織りなす温かい軽妙なトーク、街角やリスナーと結ぶ中継は、いつも笑いに包まれる。

「アッコさんの番組1発目の中継で寝坊してしまい激しく怒られました」と振りかえる垣花正さん=東京・千代田区のニッポン放送

 ひと目で南国出身と分かる、くっきりした顔立ちに、テンポのいい語り口。「沖縄出身アナウンサーということで珍しがられます。おかげさまで顔もこんなに濃いので」と、豪快に笑い飛ばす。

 宮古島での幼少期は娯楽が少ない時代。民放がなく、両親とも厳格な教員だったこともあり、NHKが自宅での唯一の娯楽だった。沖縄本島の親戚宅で見た民放の楽しさが忘れられず、次第にテレビ界や「東京」に憧れるようになった。「情報が少ない、島での根本的な飢餓感が全ての原動力になった」

 大学進学後は企画塾やコピーライター養成所など、夢に向かって手当たり次第に挑戦した。

 萩本欽一さん主宰の「欽ちゃん劇団」の1期生だ。学業に影響が出始めたため約8カ月で退団したが、表現するとはどういうことか、欽ちゃんから多くを学んだ。

 演じることに限界を感じたこともあり、退団後は「言葉をなりわいとする」ことに決めた。

 超難関試験を突破し、ニッポン放送に内定。「宮古のなまりもない。大丈夫だ」と思っていた。が、入社後、ニュース原稿がうまく読めず、自信をなくした。

 そんな時、あるプロデューサーから「原稿なしで自由にしゃべってみろ」と任されたのが、局を代表する長寿深夜番組「オールナイトニッポン(2部)」だった。入社1年目での大抜てきだった。

 それでもフリートークは振るわなかった。代わって用意されたのが、丸坊主をかけたダイエットや、音痴を逆手にとって、ヒット曲トップ10を自ら歌い紹介するコーナーなどの、体当り企画だった。次第に人気者になった。

 現在は、和田アキ子さんや、テリー伊藤さんといった、個性的なトップタレントたちと共に番組をつくる。「主張するのではなく、相手にどう輝いてもらうかを常に考える。沖縄のおおらかさが役に立っているかもしれない」と、人なつっこい笑顔で語った。(小笠原大介東京通信員)=連載・アクロス沖縄<36>

 かきはな・ただし 1972年、宮古島市生まれ。宮古高校、早稲田大を卒業し94年、ニッポン放送入社。1年目でオールナイトニッポンのパーソナリティーに抜てき。「ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回」のアシスタントのほか、2007年から「垣花正 あなたとハッピー!」を担当する。現在、アナウンス部副部長。