「技能実習生なんて、おためごかしの最たるもの」。インタビューしたタレントのジョン・カビラさんの言葉を思い出した。日本の外国人労働者が初めて100万人を超えたとの発表にである

▼日本の技術を学んでもらう建前だが、内実は人手不足対策、安価な労働力確保のため門戸をしぶしぶ開いているのが実情であろう

▼カビラさんは、本音を隠して、いかにも外国人のためと、または多様性を大事にする社会とアピールすることへの違和感を口にした。日本が難民認定し受け入れた人数は年間2桁にとどまることも合わせれば、「開かれた国」より「壁」の高さの印象が先にくる

▼中東・アフリカの一部の国から米国入国を制限する「トランプの壁」が話題である。政策に疑問を抱きながらも、我らの社会のご都合主義の「壁」を見上げ、ばつの悪さを感じている

▼各国のリーダーらがトランプ大統領の命令を批判するのに、安倍晋三首相は「コメントを差し控えたい」と、引けているのも寂しい。新たな価値創造にもつながる多様性を重視しない国のように映る

▼米国では、職を賭して反対する閣僚や官僚がいたり、企業トップもおかしいと声を上げる。自らの国にとって大事な価値を守ろうとしている。起こっていることを、ひとごととしない姿勢に学ぶことは多いと感じる。(宮城栄作)