NPO法人「ストップいじめ!ナビ」代表で、評論家の荻上チキさんに寄稿してもらった。

荻上チキさん

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 暴力事案が1月20日、発生した。25日に学校側が把握・調査。それから記者会見の直前まで、いじめ防止法および自治体の方針に定められている、第三者を含めた調査機関が設置されていなかった。法では「速やかに」設置するとあり、その対応は遅い。また、本件がネットで拡散されなければ、機関が設置されなかった可能性もある。第三者性が確保されていないため、会見の内容にも疑問点が残る。

 本件は暴力とネットモラルの問題として見られているが、暴力系のいじめが単発で存在するということは一般的に考えにくい。動画が複数人に共有・拡散されるという事態を鑑みても、非暴力のいじめを軽視すべきではない。暴力動画撮影にまで至った経緯を丹念に把握しなければ、事態の解決だけでなく、今後の予防や早期発見につながらない。

 これから全ての児童・生徒に寄り添った指導が必要なのは言うまでもないが、これまでのいじめ対策を含めた広い検証が必要だ。