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  • 線刻石器と中国南宋の銭が首里城で発見された。県内で初の出土
  • 帆船などが描かれた石器は「航海安全を祈願して作られたものか」
  • 南宋の銭は正式な銭を示す三日月模様があり「国内でも希少性高い」

 沖縄県立埋蔵文化財センター(金城亀信所長)は3日、首里城京の内地区から帆船や魚が刻まれた線刻石器と、三日月の文様が施された中国南宋の銭「紹興元寳(しょうこうげんぽう)」(1131年鋳造)を発見したと発表した。いずれも県内で確認されたのは初めて。

透明なフィルムで模様をなぞると、帆船などの絵が浮かび上がった砥石=3日、西原町上原・県立埋蔵文化財センター

裏側に三日月模様が描かれた「背上月文紹興元寶」

首里城 線刻石器と南宋銭の出土現場

透明なフィルムで模様をなぞると、帆船などの絵が浮かび上がった砥石=3日、西原町上原・県立埋蔵文化財センター 裏側に三日月模様が描かれた「背上月文紹興元寶」 首里城 線刻石器と南宋銭の出土現場

 石器は細粒砂岩で作られた重さ約1キロの砥石(といし)。15世紀末から17世紀ごろのものとみられ、両面と側面に帆船や和船、波、魚、人物などが細かく描かれている。金城所長は、図柄から「航海安全を祈願して作られたものではないか」と推測。出土した首里城京の内は、琉球王府の重要な祭祀(さいし)を執り行った場だが、祭祀との関連は分かっていない。

 線刻はこれまで石板などで確認されていたが、石器は例がなかった。沖縄考古学会の知念勇顧問は「首里城から出土したことに驚いた。石質の軟らかさから、細い線で描かれているのも特徴的だ」と話す。

 「紹興元寳」は直径約3センチ、重さ6・2グラムの銅銭。紹興元寳はこれまでも出土していたが、正式な銭であることを示す三日月が施されたものは初確認という。金城所長は「国内でみても希少性が高い」と説明する。沖縄国際大の宮城弘樹講師(考古学)は「珍しいもので、今後の琉球貨幣史研究の貴重な史料になる」と評価した。

 いずれも1994年から4年間の京の内地区発掘調査で出土したもので、昨年12月に金城所長が調査報告書執筆時に発見した。21日からは同センターで、2点を含む「首里城京の内跡出土品展」が開かれる。5月14日まで。入場は無料。