【連載「働く」を考える】

 「沖縄の人を下に見ているのか、カスタマーの仕事を下に見ているのか。東京本社の社員の態度にそんな意識が表れていた」。新城玲奈さん(33)は、一昨年末まで4年勤めた職場をこう振り返った。

「東京本社から仕事を丸投げされ、安い給料でいいように使われていると感じていた」と語る新城玲奈さん

 県内に拠点を置く外資系金融関連会社のカスタマーセンターで金融商品の利用客からの問い合わせに対応する業務を担当した。商品開発を担う本社社員とは電話やメール中心の顔が見えない間柄のため、連携は不可欠。しかし、敬語を使わない、メールの返信が1カ月以上ない、新商品の詳細な説明がないこともよくあった。本社派遣の上司の態度も同様で「仕事を丸投げされた上に、軽くみられている」と感じた。

 時給千円超のパートタイム勤務。福利厚生が手厚く、残業代も休日出勤の手当もついた。外資系らしいラフな雰囲気で、「県内の他のパートに比べたら働く環境は整っていた」。

 一方、東京との給与格差を痛感した。新城さんの月収は基本給15万円に残業代や契約数に応じた成果報酬を加えた手取りが18万~22万円なのに対して、ライバル会社が東京で募集していた同じ職種の基本給は23万円。「人件費を安く抑えるための沖縄なんだ」。本社社員の態度がふに落ちた。

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 新城さんは本社社員や上司の言葉遣いへの不満を会社のコンプライアンス室に報告。さらに、顧客と接する沖縄のスタッフに商品やサービスの変更点を解説することや、業務全体の改善点を社内アンケートに記して提出した。「沖縄の人は陰で不満は言うのに、具体的な考えを言わないことが多い。意見が許されている場があるのに言わないともっといいように使われるだけ」と思ったからだ。

 新城さん自身、意見を言えるようになったのは県内の大学院のゼミで本土や海外出身の教授、学生らと積極的に討論する場に恵まれたからだと考えている。

 だが、大学院を卒業して最初に就職した県出身者が多く働く国の関係機関では、同僚がだらだらと働く雰囲気や男性優位の職場風土に耐えきれず意見すると、部内の上司から負担の大きい仕事を割り振られ、暴言を吐かれた。半年ほどで退職した。「声を上げる人をたたく空気があることも、沖縄の特徴だと感じる」

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 外資系の金融関連会社が国内企業に吸収合併されたのを機に退職した新城さんは、その後1年間海外に留学。視野が広がり、現在は職種や県内外の地域を問わず、経験や働く意欲を発揮できる仕事を探している。「どんなに忙しくても、やりがいが感じられる仕事がしたい」。自分の可能性に期待している。(文中仮名)(学芸部・座安あきの)

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