2017年(平成29年) 11月23日

大弦小弦

[大弦小弦]排外政策を乱発するトランプ米大統領に司法が「待った」を掛けた…

 排外政策を乱発するトランプ米大統領に司法が「待った」を掛けた。ワシントン州シアトル連邦地裁は、イスラム圏7カ国からの入国を禁止する大統領令の一時停止を命じた

▼是非は最高裁まで持ち越されるが、決定は全米で即時適用され、無効にされていた約6万人のビザが復活。その中には、緊急の心臓手術を受けるための渡米ができなかった生後4カ月のイラン人女児もいた

▼「安全保障に関する事案に司法が口を挟むべきではない」との政権の主張を退けたのはロバート判事。「現況を踏まえると、三権の中での役割を果たして介入すべきだとの結論に至った」(5日付朝日新聞)

▼トランプ氏は「何かあったら判事と司法制度のせいだ」と反撃に躍起だ。だが、最高権力者であっても法の下の平等に反するなら臆せず対決する、民主主義を守ろうとする司法の姿勢に米社会の健全さを感じる

▼翻って日本の、権力の暴走を防ぐための三権分立は機能しているか。政府の主張を丸写ししたかのような判決で、新基地建設に“お墨付き”を与えた辺野古訴訟は記憶に新しい。日本の民主主義が問われた裁判に「法の番人」はいなかった

▼連邦地裁に訴えたワシントン州のファーガソン司法長官は言った。「憲法を超える人間はいない。たとえ大統領でも」。人権を守る気概を見習いたい。(磯野直)

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