沖縄県糸満市で昨年見つかった太ももやすねの骨などの戦没者遺骨について、厚生労働省が本年度中にもDNA鑑定に着手する方針であることが6日までに分かった。現在は「歯」に限定している検体を「四肢骨」へ拡大する検討を進めており、今回は身元特定の手掛かりとなる遺留品や心当たりのある遺族が現れたことから、試行的に四肢骨の鑑定を行うという。

手で持っているのは成人のあごの骨。写真右側の地べたにあるのが大腿骨で、黄色みを帯びている=2016年12月5日、糸満市束里・喜屋武の一帯(具志堅隆松さん提供)

 遺骨は昨夏以降、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表らが、糸満市束里と喜屋武にまたがる山中で発掘。1体分の大腿(だいたい)骨と2体分のすねの骨のほか、破折した大腿骨やあごの骨などがあった。

 周辺には軍服のボタンや軍靴、小銃の銃口のふたなども残され、日本兵の可能性がある。さらに「宮城」と刻まれた万年筆や、文字の判別が不能な印鑑、女性用の腕時計などが見つかり、県内の2遺族が「戦没した家族ではないか」と名乗り出た。

 厚労省は安定してDNAが抽出できるとして鑑定の対象を歯に限定。同時に頭蓋骨や骨盤などが一体として残る「個体性」のある遺骨を条件としてきたが、沖縄などの激戦地では頭が見つからない遺骨も少なくない。具志堅代表は引き続き個体性のない遺骨の鑑定実施も求めるとともに「遺骨が見つかっていない、たくさんの『宮城』さんの遺族に手を挙げてほしい」と期待した。

(写図説明)手で持っているのは成人のあごの骨。写真右側の地べたにあるのが大腿骨で、黄色みを帯びている=2016年12月5日、糸満市束里・喜屋武の一帯(具志堅隆松さん提供)