「お恥ずかしいが」を繰り返す言葉にはあきれた。昨年5月、本島中部の男子中学生が同級生から暴行を受け、その様子を撮影した動画が会員制交流サイト(SNS)で共有された問題。7日に会見した教育委員会の釈明だ

▼被害生徒が不登校になった事実を把握していたものの、必要な調査や対応が「不十分だった」ことへの枕ことばのように使った。危機意識が足りないどころか、教育行政の質が問われる

▼いじめ防止対策推進法では、重大な事態が起こった場合には「速やか」に調査組織を設けて、事実関係を明らかにするなどの対応が明記されている。これができていなかった。「恥ずかしい」ではすまされない

▼中部の中学校では別の生徒が同級生を暴行した動画がインターネット上に流出する問題も1月に発覚した。過去に起こった事案が検証されていれば、少なくとも何らかの対策につながったはずだ

▼いじめ問題は因果関係の把握が容易とはいえず、きめ細かな調査が必要になる。それだけに、さまざまな知恵と迅速な対応がなければ、再発防止策や生徒へのケアは見いだせないだろう

▼今後、調査委員会を立ち上げて検証するという。専門家が指摘するように、被害者側に寄り添った人選も必要だ。優先されるべきは命と人権。教育行政はそれに真っ正面から答えるべきだ。(赤嶺由紀子)