沖縄県名護市・屋我地島の全域で昨年から、マツノザイセンチュウという約0・8ミリの線虫による被害が急激に拡大し、我部区の山で4日、被害木の伐採が始まった。我部の御嶽周辺で樹齢140年と推定されるリュウキュウマツの大木が北部森林組合の作業班5人によって切り倒されると、作業を見守った人々から惜しむ声があがった。

害虫被害で赤く枯れ、伐採されたリュウキュウマツ=名護市屋我地

切り倒された樹齢140年のリュキュウマツ=名護市屋我地

害虫被害で赤く枯れ、伐採されたリュウキュウマツ=名護市屋我地 切り倒された樹齢140年のリュキュウマツ=名護市屋我地

 木は樹高約17メートル、幹周り約3メートル、枝幅は約10メートルに広がる大きさ。作業員がチェーンソーをマツに当てて約8分、バキバキと大きな音を立てて倒れた。枝打ち作業や幹を切断し、饒平名にある焼却処分場で処分するという。

 同組合樹木医の吉元充さん(25)によると、センチュウはマツノマダラカミキリが呼吸する器官に入り込み、マツの木を移動する。吉元さんは伐採されたリュウキュウマツについて「年輪から樹齢は約140年。100年あたりで津波か何かの衝撃を受けた痕がある」と苦難を乗り越えた松の歴史を振り返った。

 現場には同区の川上禎区長や玉城則光前区長、地域の人らも訪れ、作業を見守った。祖父と見に来たと言う松田大輝君(大北小2年)と妹で幼稚園生の光桃(みと)ちゃんは「ボンと音が大きかった」と話し、切り株に乗って年輪を数えたが110本で断念。

 同区の70代の男性は「戦後最初の公民館は、御嶽林のリュウキュウマツを使用して建てられた。もっと早く処置していればこんな事にはならなかった」と語気を強め、残念がった。

 同地域周辺には同じ被害のマツが約10本あるという。川上区長は「木がなくなって寂しい。でも他のリュウキュウマツに害が及べば大変だし、ここは県道110号線沿いなので景観としても見苦しかった」と少し安心した様子だった。

 森林組合によると屋我地島全域はリュウキュウマツの保全指定区。3月上旬まで伐採作業を行う。(玉城学通信員)