沖縄本島などの医療機関を利用する離島患者や妊産婦の経済的負担を軽減するため、沖縄県の2017年度当初予算案に有人離島を抱える18市町村を対象にした新規事業が盛り込まれた。患者らに通院にかかる渡航費や宿泊費を助成する市町村に対し、経費の半分を補助する内容で、予算額は2300万円。患者関係者からは「経済的に受診をためらう患者を1人でも多く救済するきっかけになればいい」と歓迎の声が上がる。

沖縄県庁(資料写真)

 対象者は、離島在住で(1)特定不妊治療を受ける夫婦(2)妊産婦(3)がん患者(4)子宮頸(けい)がん予防ワクチン接種による副反応の疑いがある患者(5)小児慢性特定疾病児童(6)指定難病患者(7)特定疾患患者(8)介護などが必要な場合の付添人-の8ケース。

 有人離島がある16市町村は既に何らかの助成を実施しているが、疾病の種類や支援額、回数はまちまちだ。 離島地域のがん治療の向上を目指す「ゆうかぎの会」会長で、乳がん経験者の真栄里隆代会長(57)=宮古島市=は「長期間、何度も通院が必要な患者にとって現状の市町村支援は十分でなく、県が補助することで支援内容の拡充につながればありがたい」と期待した。

■ヘリ巡回診療の回数増やす

 一方、当初予算案には離島での受診機会を拡充するため、ヘリコプターを活用した専門医などの巡回診療ヘリ等運営事業の1320万円も計上された。一括交付金を使った現行の巡回診療事業は海、空の定期航路が主で、宿泊を伴う場合、医師の確保が困難となる。

 このため国の2分の1補助や特別交付税措置で県の負担が実質1割になる仕組みを新たに活用し、眼科や耳鼻咽喉科、産婦人科などの巡回診療を拡充する。16年度中の診療回数約110回(見込み)に対し、17年度は新規事業を加え130回程度まで増やす計画だ。