長い人生においては、時々受け入れ難いことが唐突に訪れる。私が何をした、何故私ばかりにと恨めしい事この上ない。呪詛(じゅそ)の言葉を吐いては、理不尽な事なのだからきっと何かが助けてくれるはずだと夢想する。

「王様のためのホログラム」の一場面

 仕事も家族もなくした1人の男が、砂漠の国の王様に最先端の映像装置を売り込みに行く。次々に襲いかかる問題の解決に躍起になる中、ふと立ち止まり、理解し難いとしか感じられなかった異文化の嵐に身を委ねてみる。

 主演のトム・ハンクスが映画化を切望した作品と言うだけあって、人生の岐路に立つ人々への応援歌になっている。大木も風に立ちはだかるだけでは根こそぎ倒されるが、柳のように身を委ねれば、また芽吹くこともできるということか。幸せのあり様は、他者でなく自分で決められる。(スターシアターズ・榮慶子)

サザンプレックスできょう10日から上映予定