県三役人事が固まった。「基地」と「経済」を政策の重要な柱と位置づけ、ともに強化していく、という布陣である。

 状況は切迫しており、何事につけ、スピード感をもって対応することが必要だ。

 翁長雄志知事は、辞任した安慶田光男前副知事の後任に元沖縄国際大学長で県政策参与の富川盛武氏(69)を起用するほか、新たに部長級の政策調整監を置き、元金武町長で前県議の吉田勝廣氏(72)を充てることを決めた。

 15日開会の県議会2月定例会に人事案を提出する。

 安慶田氏の突然の辞任と提訴によって県庁内には驚きと動揺が広がり、業務にも支障が生じている。態勢立て直しは急務だ。教員採用試験をめぐる「口利き疑惑」の真相究明と再発防止策を急ぎ、信頼回復に努めてもらいたい。

 山積する課題の中でも、とりわけ急を要するのは、新基地建設への対応である。

 キャンプ・シュワブ沿岸部では護岸工事に向け、大型コンクリートブロックの投下作業が続いている。「もう後戻りできない」というあきらめムードを浸透させるのが政府の狙いだ。

 連日、現地で抗議行動を展開する市民は、県の対応が見えないため危機感を募らせている。

 反対派にとって最悪のパターンは、何の説明もないまま時間だけが過ぎていくこと、他の有効策がないまま埋め立て承認の撤回を断念すること、である。県が対応を誤れば支援者との間に深刻な溝が生じるおそれがある。

■    ■

 辺野古の新基地建設は、膨大な国費を投入するにもかかわらず、沖縄全体の抜本的な負担軽減をもたらすものではない。それが最大の問題だ。

 昨年12月、米海兵隊のオスプレイが名護市安部の海岸に墜落・大破した。同じ日に別のオスプレイが普天間飛行場に胴体着陸。にもかかわらず、米軍は事故のわずか6日後に飛行を再開し、1カ月もたたないうちに空中給油訓練の再開に踏み切った。

 民間地域でありながら、地位協定に阻まれ、日本の捜査機関は立入調査すらできなかった。

 宜野座村城原区周辺ではオスプレイが夜間・低空飛行訓練を続け、うるま市・伊計島の農道には攻撃ヘリが不時着した。津堅島西の訓練水域では通告と異なる日にパラシュート降下訓練が実施された。

伊江島では基地区域外の民間地に誤ってパラシュート降下…。昨年12月以降の事例だけでも、こんな具合だ。

■    ■

 裁判所は、嘉手納基地や普天間飛行場の騒音の違法性を認めながらも、米軍機の夜間・早朝の飛行差し止めには応じてこなかった。

 米軍の軍事行動によって生じている県民への大きな負担を放置するのは、国の怠慢である。

 県は県内移設を前提にした日米特別行動委員会(SACO)の合意を早急に検証し、結果をまとめ、現実の被害に基づいて政府に文書で計画の見直しを要求すべきである。

 県に今、求められるのは「迅速な対応」と「丁寧な説明」「総合的な基地政策」だ。