〈ごちそうの 十六日祭 墓まいり〉。2年前に本紙ワラビー俳句大賞(小学生の部)に選ばれた石垣市内の子の作品だ。伝統行事でごちそうが食べられる浮き浮き感が伝わってくる

▼きょうは祖先を供養する十六日祭(ジュウルクニチー)。グソー(あの世)の正月とも呼ばれ、宮古、八重山、奄美などの離島をはじめ、沖縄本島の一部でみられる。日曜日も重なって帰省する人も多いだろう

▼家族や門中が墓前に集う行事と言えば本島ではシーミー(清明祭)だが、離島では十六日祭が主流だ。中国の清明を首里・那覇の士族が受け入れ地方や離島に伝わったが、古くからの十六日祭が強かったとされる

▼会社の同僚らに聞いても本島の人は清明祭だけ、離島の人は十六日祭だけの家庭が圧倒的だった。ただ本島でも十六日祭を簡単に済ませ、離島でも清明祭をやる家庭もあるらしい

▼宮古の郷土史に詳しい仲宗根將二さん(82)によると、宮古では士族や寄留商人の家系が多い港周辺では清明祭もやっていたが、復帰ごろを境に廃れていった。逆に十六日祭は年々、盛り上がりをみせているそうだ

▼那覇市の三重城では、離島出身者が島の方角に向かって料理を並べ、子や孫と一緒に手を合わせる光景が毎年見られる。十六日祭も清明祭も祖先を敬う気持ちは同じ。大切にしたい伝統行事だ。(玉寄興也)