【連載「働く」を考える】

 「わたし、いつまでできるのかな」

勤務表を手にする松本さん。「患者さんや家族からの『ありがとう』に支えられる」と語った(画像の一部を処理しています)

 総合病院の内科病棟で働く看護師の松本優子さん(41)はつぶやく。人手不足の上に業務は膨らみ、勤務時間を過ぎても帰れない。激務に疲れ果て、心身を病み、辞めていく看護師を何人も見てきた。

 日勤9時間と夜勤17時間の2交代で週5日働く。病棟のベッド40床は常にいっぱい。しかも患者の超高齢化で、大半は自ら動けない。看護助手が不足し、看護に入浴介助やおむつ替えなどの介護が加わる。

 日勤では看護師1人当たり患者5人をみるが、手が回らず、おむつ替えに1時間かかることもある。

 夜勤では1人当たり10人になり、患者の急変や死亡があれば、2時間の仮眠どころではなくなる。「普段から耳鳴りのようにナースコールが聞こえてくる。どの看護師もそうだと思う」

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 現場の業務量は、働き始めた20年前より増えているという。患者やその家族からの要望が多くなり、対応を逐一チェックされることもある。訴訟のリスクに備え、電子カルテへの入力作業もより細かくなった。

 患者のケアに追われ、定時までに記録や翌日の準備が終わらない。日勤では2~3時間の残業が常態化している。

 ベテランになると、看護実習の学生の指導や割り振られた研究委員会への出席が加わり、休日に講習会に参加することもある。体力的にきつく、「マッサージに通っている」と松本さんは打ち明ける。

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 しかし沖縄では、県外と比べて処遇が劣る。松本さんは駆け出しの7年間、県外の地方都市の総合病院で働いた。夜勤手当は1回当たり1万円以上あったが、今の職場では5千円を切る。東京や大阪での勤務経験がある看護師に聞くと、1万5千円だった。

 労働基準法では、午後10時~午前5時は夜勤手当として給与の時間給換算で25%以上が支払われるが、比率は病院によって異なる。日本看護協会の病院看護実態調査(2015年)によると、2交代の平均夜勤手当は1万711円。松本さんの夜勤手当は法定内だが、平均の半分以下だ。

 松本さんは「沖縄では平均より低い所が多いと思う。やっていることは同じなのに給料がこんなに違うのは、モチベーションが下がる」と吐露する。

 手取り約30万円で、子ども1人を育てている。「物価も家賃も安くないが、なんとかやっていける」と松本さん。「働き続けたい」一方で、「もう少しゆとりのある働き方に変えたい」とも思う。(文中仮名)(学芸部・榮門琴音)

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