「新聞とかには出さないでいいです」。沖縄市内の男性はそう言って新品のランドセルを持ってきたという。新学期を前に、困窮家庭を支援するNPOに届いた軽くて大きなランドセル。大人でも何だかワクワクする

▼本紙報道で困っている子どもたちの現状を知ったのがきっかけだった。支援をしたいと思っていた周囲にも呼び掛けて、寄贈にこぎつけた

▼男性からは、どんな品物がいいかの相談もあったという。受け取ったこども家庭リソースセンター沖縄の與座初美理事長は「本当に必要としているものを届けたいという思いがうれしい」と話す

▼支援は新品ばかりではない。不要になった中高生の制服の再利用に取り組む「子ども応援団笑びん」の活動も広がりつつある。決して安くはない制服。成長に伴ってすぐに着られなくなるだけに、共助の精神は心強い

▼野球を通して新たな支援に乗り出したのは元日本ハムの糸数敬作さん。野球文化のないラオスへ野球用具を贈る活動を始めた。今後は県内でも用具が買えない子らへのサポートも手掛けたいといい、頼もしい限りだ

▼「子どもの希望に格差があってはいけない」。與座理事長は言う。じわじわと各地で広がる子どもたちへの支援。地域社会のつながり、人間関係の希薄化がいわれて久しいが、誰にでもできることはある。(赤嶺由紀子)