安倍晋三首相が14日の衆院予算委員会で米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止の実現に関し「難しい」との認識を示したことに、県政内からは「危険性の除去を否定するもので許されない」と批判の声が上がった。

普天間飛行場(資料写真)

 5年以内の運用停止については2013年12月、名護市辺野古の埋め立て承認の事実上の条件として仲井真弘多知事(当時)が政府に要請し、首相は「できることは全てやる」と取り組む姿勢を示した。だが、具体的な進展は一向になく、政府は「運用停止」の定義さえ示せていない。

 一方、米側からは否定的な見解が相次いで示されるなど、県内でも実現性に懐疑的な見方が強かった。

 県幹部の一人は、首相が約束した13年当時を振り返り、「当時は普天間の辺野古移設とリンクさせる考えはなかった。国が勝手に条件とした」と指摘する。

 国は14年12月に名護市辺野古の新基地建設に反対する翁長雄志知事が誕生すると、県が辺野古に反対していることを挙げ、5年以内の停止には「県の協力が前提」と態度を変えた。さらにこの日、首相は翁長氏を名指しした上で「全く協力いただけていない」と運用停止に否定的な見方を示した。

 別の幹部は「明らかな県への責任転嫁。できない国の責任を棚に上げ、開き直ったとしか言えない」と批判を強めた。

 一方、県で基地行政に携わる職員の一人は普天間の訓練移転などを進めれば「2年」以内の運用停止は不可能ではないとの見方を示す。にもかかわらず、首相は困難との見方を示した。

 「つまり、国には普天間の運用停止に取り組む姿勢がないということ。政権の本音が露呈しただけだ」と冷静に分析した。