高い離職率と低い育児休業取得率は、女性が活躍できない社会の裏返しだ。

 沖縄総合事務局が県内在住の20~40代女性を対象に実施した「働く女性に関する意識調査」で、4人に3人が「離職・転職の経験がある」と回答した。その理由で最も多かったのが「出産のため」、2番目が「結婚のため」だった。

 約7割の女性が出産後も働き続けたいと答えているものの、出産時に育児休業を取得したのはほぼ2人に1人で5割を切っていた。

 結婚・出産で仕事を辞めざるを得ない女性たちの姿が浮かぶ。

 厚生労働省の雇用均等基本調査で女性の育休取得率は10年前から8~9割の高い水準にある。県調査も同様の傾向を示している。

 一見、育休制度が社会に浸透し、仕事と育児を両立させる環境が整っているように見えるが、国や県の統計は会社を辞めなかった女性たちの8~9割という数字で、そこに妊娠・出産で退職を余儀なくされた女性たちは含まれていない。「育休が許されない空気」がかき消されているのだ。

 働く女性に関する意識調査で、育休を取得しなかった理由の上位は「雇用形態が対象条件に合わなかった」「職場に取得する雰囲気がなかった」だった。

 パートや派遣といった働き方、職場の無理解が壁になっているようだ。

 企業のほとんどが中小企業で、非正規雇用率が高いという県内の状況も大きく関係していると思われる。

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 育休を取り巻く環境は、取得が定着する公務員や大企業と、職場の理解さえままならない中小企業との間で二極化している。

 一定の条件を満たせば非正規でも育休取得は可能だが、理解が進まず、正規と非正規の格差も根強い。

 人事院の発表によると2015年度の国家公務員の女性の育休取得率は100%に達している。

 他方、県内では育休制度を整備していない事業所が5割近くに上る。

 調査で育休を取得しなかった理由に雇用形態や職場の雰囲気の次に「家計が苦しくなるため」との声があったのは、気にかかる。

 県民所得の低さや男女の賃金格差の問題もあって、賃金の6割ほどの育児休業給付金では生活が困難と考える人が少なくないのだろう。

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 最近の育休取得の話題は、もっぱら男性の取得率アップである。しかし女性たちが取りづらいと感じている企業文化そのものを変えていかない限り、男性の取得も一部の大企業にとどまる。

 中小企業が育休に二の足を踏むのは、従業員が少ないため人繰りが難しい、前例がないなどの理由からである。

 制度整備は経営者の意識の問題で、代替要員の確保には県など行政の後押しが必要となる。給付金の拡充も検討課題だ。

 17年春闘が始まっている。女性が働きやすい職場環境の整備にも強力に取り組んでもらいたい。