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  • 2016年9月、国内最大規模のサンゴ礁の主要サンゴ10種の98%が死滅
  • 全体の約7割が死滅。07年の大規模白化より被害は甚大で「過去最悪」
  • 専門家は「回復には時間がかかる」とし、継続調査の必要性を指摘

 沖縄県の石垣島と西表島の間にある国内最大規模のサンゴ礁「石西礁湖」の約7割が死滅した問題で、主要サンゴ11種のうち10種の白化率が昨年9月時点で98%超だったことが19日、分かった。サンゴは種属によって白化・死亡率が異なるが、2007年の大規模白化で比較的無事だった種にも甚大な被害を確認。死亡率は全種が同年を上回り、「過去最悪」との声も上がる。石垣市内で開かれた第20回石西礁湖自然再生協議会で、琉球大学の中村崇准教授が報告した。

サンゴの白化が広がる石西礁湖

サンゴの種別白化・死亡状況

サンゴの白化が広がる石西礁湖 サンゴの種別白化・死亡状況

 調査は昨年9月、35地点の約6400群体で行い、大規模白化があった07年9、10月と比較・分析した。

 調査によると白化率は、成長は遅いが白化・死亡しにくい「塊状群体」3種のうちコブハマサンゴだけが58・5%で、ほかの10種は98%を超えた。ハナガサミドリイシなど白化・死亡しやすい4種は100%だった。

 塊状群体であるカメノコキクメイシは98・5%、コカメノコキクメイシも99・2%。07年9月の調査でほとんど死んでいなかった種にも死亡が確認された。07年との比較で、死亡率が十数倍に上る種もあった。

 中村准教授は「白化・死亡しにくいサンゴも高い死亡率で、壊滅的な状況」と説明。残ったサンゴも今後は光合成を担う共生藻が少ないか、いないために成長が遅れ、産卵の密度や質も落ちるとし「回復は非常に時間がかかる」と述べた。

 今後の大規模白化について「われわれが想像していた以上に短いスパンで起こる可能性がある。必ず起こる、繰り返されると想定して対応しないと間に合わない」と指摘。継続的なモニタリング調査とともに、地元も交えた対策の必要性を強調した。