記者会見を開いた1月26日以来、25日ぶりに公の場に現れた安慶田光男前沖縄県副知事。用意した文書を読み上げるだけだった会見とは対照的に、20日の県議会文教厚生委員会では、身ぶりを交えながら何度も潔白を訴えた。翁長雄志知事の任命責任など政治問題を追及したい野党側と、事態の収束を図りたい与党側の双方の思惑も垣間見え、約2時間の質疑は“消化不良”気味に終わった。

参考人招致で弁護士の助言を受ける安慶田光男前副知事(左)=20日午後、県議会

 「採用試験で依頼する動機も必要性もない」。弁護士とともに入室した安慶田氏は冒頭、用意した意見書を約16分かけて読み上げ、経緯などを説明。何度か顔を上げ、硬い表情で委員や記者団を見つめ訴えた。

 諸見里明前教育長の「告発文書」について、安慶田氏は県教育委員会からの事実確認や問い合わせは「何もない」と述べ、諸見里氏の文書に基づく県教委の「介入」認定を疑問視。「真実を明らかにできるのは裁判以外にはない」と声を荒らげた。

 県政野党の照屋守之委員(自民)は「県民の不信感は県政史上最悪の状態。辞任は県政混乱の元凶だ」と何度も追及し、知事の任命責任に言及。照屋氏をにらむように見つめた安慶田氏は「辞することで問題が収束すると判断した」と繰り返した。

 複数の野党委員は質問時間が足りず、地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委員会)設置を狩俣信子委員長に求めた。

 一方、県政与党の平良昭一委員(おきなわ)は「(安慶田氏の話を聞いて)個人対個人の問題と理解できた。議会で扱うものではない」とし、議会審議にそぐわないとする考えを示唆。ほかの与党委員も当時の経緯や、告発文書や県教委の調査に対する安慶田氏の認識を確認する程度にとどめ、持ち時間を使い切らずに質問を終えた。

 委員会後、記者団から「委員の理解を得られたか」と問われた安慶田氏は「それは分かりません」と言葉少なく、足早に議会棟を離れた。