9秒でまるわかり!

  • 沖縄では毎年200人近くの高齢者が行方不明になり、2016年は191人
  • 4割にあたる74人が認知症で、全員見つかったが4人は死亡していた
  • 警察は、不安を抱く家族に事前の個人情報登録を呼び掛けている

 2016年に沖縄県内で行方不明になった高齢者は191人(暫定値)で、うち約4割に当たる74人が認知症だったことが22日、県警への取材で分かった。認知症者の統計を取り始めた12年以降、行方不明高齢者全体に占める割合は4割前後で推移。一人歩き(徘徊(はいかい))で自宅などを出た後、遺体で見つかるケースもあり、本人や家族が地域で安心して暮らせる体制づくりが急務だ。(社会部・新垣卓也)

 沖縄県警生活安全企画課によると74人は行方不明届を出した家族などから、認知症または認知症の疑いがあるとの申し出があった。

 74人全員の所在は確認されたが、4人は死亡。海岸や雑木林などで亡くなっていた。届け出から約4カ月後に白骨遺体で見つかった事案もある。今年に入ってからも、認知症高齢者1人が行方不明になり、家族が届け出る前に遺体で発見された。

 16年の原因・動機別では認知症が最多。理由などが分からない「不詳」は72人、「家庭関係」19人、遊び癖や放浪癖などによる「その他」は12人。認知症であることを、家族などが申し出ていない可能性もあるという。

 県内の行方不明高齢者は12年171人、13年204人、14年167人、15年223人。うち認知症の人は12年56人、13年84人、14年63人、15年98人で、毎年全体の3~4割を占める。県警によると、一人歩きなどで行方不明になった認知症高齢者のほとんどが翌日から1週間ほどで所在確認される。自ら帰宅したり、友人や親戚の家にいたりするという。

 認知症行方不明者は全国的にも増加傾向で、警察庁のまとめでは12年9607人、13年1万322人、14年1万783人、15年1万2208人。行方不明になった場合に、市町村の窓口などで事前に登録した個人情報を地域の協力機関などと共有し、捜索する「SOSネットワーク事業」で早期発見につながった事例もある。

 県警は「行方が分からなくなった認知症の人が、事件・事故などに巻き込まれる可能性もある。不安を抱く家族には、事前の情報登録をしてほしい」と呼び掛けている。

【関連】認知症不明者の「SOSネット」設置、自治体で温度差 沖縄県内7市町村のみ