沖縄タイムスが県内全41市町村を対象に実施した沖縄振興に関するアンケートで、各省庁にまたがる沖縄予算を内閣府が一括計上する方式を33市町村が「必要だ」などと評価した。沖縄振興予算による社会インフラの整備は一定の評価をするものの、注目したいのは「廃止すべきだ」「どちらともいえない」と一括計上方式に疑問を呈したのが8市町村に上ったことだ。

 年末の政府の予算編成時期になると出てくるのが「沖縄優遇論」という誤解である。沖縄の米軍基地の過重負担とバーターとなっていると受け止める人が多く、振興予算の性格や内容が正確に伝わっていないことへの不満の表れと読み取れる。廃止すべきだと踏み込んだ多良間村は「沖縄だけ予算をもらいすぎていると誤解される要因になっている」と指摘。北谷町も「他県と比べて上積みと認識されるような対応を改めるべきだ」と問題意識は同じだ。

 復帰時に設置された沖縄開発庁(現内閣府沖縄担当部局)が各省庁の予算を効率よく確保したのが一括計上方式だ。各都道府県は省庁ごとに計上されるが、沖縄は一括計上方式のための総額が発表される。沖縄が別枠で、振興予算を受け取っていると誤解される要因になっている。

 2014年の数値で地方交付税と国庫支出金の県民1人当たりの額は全国5位、地方交付税だけだと18位で、突出して高いわけではない。

 復帰後、沖縄振興予算が約11兆8千億円投じられたにもかかわらず、1人当たり県民所得が全国最下位、失業率も全国で最悪水準という状況に沖縄振興計画の政策効果への疑問もあるのではないか。

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 一括計上方式に対する市町村長の認識の変化は復帰特別措置法や沖縄振興特別措置法に基づく沖縄関係税制にも表れている。「延長・維持」を求めたのが11市町村に対し、「見直し・検証・新制度創設」を求めたのは9市町村。

 復帰に伴う「激変緩和」のためだった酒税の軽減は延長幅が2年に短縮されながらも継続が決まっている。9本の沖縄関係税制の成果をチェックした上で、整理整頓が必要な時期である。

 使い道の自由度が高いといわれる一括交付金は市町村職員の政策立案能力の向上につながっているとの見方がある一方で、交付基準が曖昧で、他省庁の補助メニューにあるものは適用されないなどの制約がある。アンケートには市町村にとって意義の大きい事業が並ぶが、疑問のある使い方もある。教育や福祉など身近な地域ニーズを取り込んだ事業に適用するよう使い方を磨いていく必要がある。

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 県が初めて自前で策定した「沖縄21世紀ビジョン基本計画」(2012~21年度)は17年度から後半に入る。

 県振興審議会は改定作業を急いでいるが、県には同時に、基本計画終了後の沖縄振興のあるべき姿や一括計上方式、税制をどうするのか、議論を始めてもらいたい。

 市町村も含めた議論で、プラス、マイナスの両面を精査し、ゼロベースでの見直しを排除せず、検討してほしい。