米軍嘉手納基地周辺の河川や県企業局北谷浄水場から残留性有機汚染物質のフッ素化合物PFOS(ピーホス)が高濃度で検出された問題で、環境や化学の専門家で構成する米本国からの調査団が昨年11月に来沖し、同浄水場を視察していたことが分かった。民間調査団体インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)が求めた県の情報開示で明らかになった。

 基地周辺のピーホス汚染で米軍は自らの関連を認めていないが、IPPの河村雅美代表は「全く無関係の案件に、米国の調査チームが来るとは考えにくい」と指摘した。

 県の開示資料によると、メンバーは米本国から来た文献調査チーム員4人と、在沖米軍所属とみられる施設管理や水道、環境関係の担当者ら4人の計8人。11月15日に同浄水場を訪れ、活性炭による汚染物質除去の状況などについて県企業局職員の説明を受けた。

 米国側は今回の視察の目的を明らかにしていないが、浄水場の水は基地内にも供給されているため、県側の処理を確認する側面もあった可能性がある。沖縄防衛局は本紙の取材に対し、調査団が視察したことは認めた上で、調査の目的やメンバーの所属を「把握していない」と回答した。

 河村代表は「基地が汚染源という疑いを調べる目的と、供給源の安全確認という両方の意味合いがあったのではないか」と推測。「自らが汚染源と疑われている問題なのに情報は一切出さず、県側の対応だけ確認し、自分たちの安全だけ確保しようとしているならば、米国側の姿勢はおかしい」と批判した。

 一方、県に対しても「ピーホスの汚染源と疑われる米軍に対し、県民の利益を守る立場でもっと強い態度で交渉し、積極的に情報公開してほしい」と求めた。

■汚染除去に年1億7千万円 県民負担増に疑問の声

 沖縄県企業局北谷浄水場は本年度、ピーホス高濃度汚染の緊急対策として、汚染物質除去のための活性炭を約1億7千万円かけて交換した。16個を毎年4個ずつ交換し続けていく必要があり、毎年同額がかかる見込み。これまで2年に1回だった交換周期が1年に1回となり、県の費用負担が倍増する。米軍は因果関係を認めていないが、県は「負担を求めていきたい」と説明している。

 IPPの河村雅美代表は「県民が多額の費用を負担するのはおかしい。汚染源を明らかにすべきだ」と求めている。

 同浄水場は1月26日、水源となる比謝川からの取水を8カ月ぶりに再開。活性炭の交換が終わり、同27日のピーホスの値は1リットル当たり21ナノグラムで、最大で同80ナノグラムだった14~15年から大幅に低減された。国内の水道法などにピーホスの規制値はなく、米国の法規制では勧告値が同70ナノグラム以下とされている。