外来種問題を考えるシンポジウム(主催・日本自然保護協会、世界自然保護基金ジャパン)が25日、東京都内であり、米軍基地建設や軍事訓練、観光などに起因する問題点が報告された。豊かな固有種を守るため、早期の対策方針の決定や知識の普及などに取り組むよう提案された。

沖縄を含め島しょ地域の生態系を守るため、外来種の問題点を指摘するパネリストら=25日、東京都・中央大学駿河台記念館

 琉球大学博物館(風樹館)学芸員の佐々木健志さんは、国内に定着した外来種のうち、約半数が沖縄にいると紹介。要因として、競争種が少なく外来種が定着しやすいことや、温暖な気候で熱帯地域の外来種が多いことに加え、米軍基地が発生源となる危険性や、基地内での対策が困難な点などを挙げた。

 さらに、沖縄側の外来種への意識が低い点を問題視。予算が付くと対策に取り組むが、予算が切れると手薄になる傾向にあると指摘した。その上で、地域の特性も考慮して外来種への対処方針を決める必要性や、知識の普及・啓発、早期発見のための市民を巻き込んだ監視体制の構築などが提言された。

 日本自然保護協会主任の安部真理子さんは、県外から1700万トンの土砂が運ばれる辺野古新基地建設だけでなく、米軍や自衛隊の訓練や観光客の増加など、外来種が入ってくる要素は多岐にわたると指摘。空港や港湾などの侵入経路の管理強化を求め、「いったん入ると駆除は難しく、侵入の予防が大切。真に生物多様性の保全ができる形で、世界自然遺産を目指すべきだ」と訴えた。