来県中の岸田文雄外相は26日午前、県庁を訪れ、翁長雄志知事と会談した。知事は名護市辺野古の新基地建設で「辺野古移設に固執すると、今後の日米安保体制に大きな禍根を残す」と述べ、断念を求めた。また、1月にマティス米国防長官が訪日した際、日本政府が普天間飛行場の5年内運用停止を「米側に一切言及しなかった。強い憤りを感じている」と批判。「辺野古移設の進捗(しんちょく)に関わりなく、政府の責任で実現すべきだ」とくぎを刺した。

会談する翁長雄志知事(右)と岸田文雄外相=26日午前、沖縄県庁

 岸田氏は「しっかり受け止めさせていただきたい」と述べるにとどめ、具体的な言及は避けた。辺野古移設を「唯一の解決策」とする政府の立場を、知事に主張することもなかった。

 知事が就任後、岸田氏と沖縄で会談するのは初めて。約40分のうち、冒頭の15分を記者団に公開した。

 知事は岸田氏に、日米地位協定の抜本的な見直しも求めた。知事は会談後、記者団に、会談の非公開部分で岸田氏から「日米地位協定は膨大な法体系となっており、改定しようとすると何年もかかる」との回答があったと説明した。

 岸田氏は公開された冒頭発言で、日米が1月16日に、米軍属の地位を明確化する補足協定を締結したことなどを強調しており、運用の改善で対応する方針を示したとみられる。

 岸田氏は地方の魅力を国際社会に発信する事業に取り組んでおり、知事との会談でも「さまざまな魅力と可能性を持つ沖縄は、地方の魅力を世界に発信するモデルケースになる」と強調。知事との会談後に那覇市内のホテルへ移動し、県内の研究者や観光関係者と相次いで意見交換した。

 岸田氏はニコルソン在沖米四軍調整官とも会談。「在日米軍の安定的な駐留のためには地元の理解を得ることが不可欠だ」と述べ、沖縄の基地負担軽減に協力を求めた。ニコルソン氏は「県民の支持なしでは任務ができない」と応じた。