「しぃん にぇん くぁいら(新年快楽)」とは、中国語で新年おめでとう。抑揚の強いアクセントで言い合い、台湾式の正月を毎年祝うレストランが近くにある。昔のウチナーが恋しくなる。今年の旧正月の祝いは1月28日。私も招待された。

台湾式の旧正月ごちそうの盛り付け。よく行く近くのチャイニーズ・レストランで=ニュージャージー

 経営者は台湾系1世の夫婦。常連客として長い付き合いだが、正月祝いは従業員、親戚、近い友人達だけでレストランはいっぱいになる。魅力は何と言っても料理。ウチナー料理と似ていてほとんどがチャンプルー式で口に合う。肌の色や人種、言語も多様だが、共通点は一つ。全員が中国料理好きなこと。

 10年前、ウチナー式の野菜チャンプルーを説明しながら注文したら、10分もたたない内に目の前に現れた。今では特別メニューとして他の客からも注文があるようだ。日本の本土出身者より台湾出身者の方がゴーヤーやナーベーラー、シブイなどに興味がありウチナー風に料理できるようだ。春夏秋は特にアジア系の野菜を裏庭に植え、収穫したらこのレストランへも持って行く。それも楽しみの一つだ。私のウチナーへの郷愁はこの様な形でも癒される。

 夫婦には、まもなく大学を卒業する2世の息子がおり、この2、3年は彼がフロントの経営を任されている。このレストランは2年前まで、ウエートレスはみんな中国系や台湾出身者だけだった。外国人が渡米後も英会話がなかなか上達しないと、仕事や生活の範囲が限定される。中国系の場合、日本人が相手なら漢字を書いてなんとか意思を伝えることができる。だが話せても、漢字の読解力がなければお手上げだ。特に台湾の漢字は日本人にも分かるが、韓国人が相手だと困難。国際語となった英語はブロークンでも意思疎通がある程度できるが、残念なことに笑顔だけでは物事が解決しない時が多い。

 2世の経営者はそんな状況を小さい時から観察している。彼は徐々にアルバイト生を彼の大学にいるアジア系やベトナム、韓国などさまざまな国の学生たちに切り替えた。電話での注文受付、テーブル接待、片付け、レストラン内での動きはさっそうとして、働きぶりは能率的で心地良い。

 これらアメリカ生まれの2世たちは、互いに未来の計画についても語り合っている。若い経営者と供にレストランをスムーズにサポートし、そのオーナー夫婦は、店を息子に任せ若い従業員を暖かく見守っている。彼らの大学の様子や健康状態にも気配りをしているのが、傍らから良く感じとれる。

 客がいない3時ごろ、私は自分のパソコンを持参してゆっくりする。沖縄に似た、文化の近いレストランで私なりの「I My  Me Time」を過ごすのだ。(てい子与那嶺トゥーシー通信員)