【連載「働く」を考える】

 「こんな雇用条件では、経験を積んだ支援員が育たない。子どもたちのことを本当に考えているのだろうか」。県内の小学校で身体や知的、発達に障がいのある子どもたちの学習や生活面の介助をする特別支援教育支援員を務めて約5年になる40代の浦崎実菜子さんは、やり場のない不満を抱えている。

雇用期間ごとにある年休3日と病休1日は、自身の3人の子の学校行事や風邪などで「あっという間になくなる」と話す浦崎実菜子さん

 教員の補助員として、食事や排せつ、移動の介助に加え、教室を飛び出していく児童の安全確保や居場所の確認、医療的なケアが必要な子への目配りなど状況に応じて臨機応変な対応が求められる。

 県によると、県内の小中学校に配置されている支援員は756人。雇用条件は市町村で異なる。発達障がい児が年々増加傾向にある中、今や支援員は学校現場に欠かせない存在になっている。だが、雇用環境は職業として経験を積み、腰を据えた支援ができる体制になっていないのが現状だ。

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 賃金は時給約930円の6時間で1日約5500円。週5日で月の手取りは平均8万円。修学旅行や宿泊学習にも同行を求められるが、その手当は1日2千円程度。資格の有無は問わず、賃金は一律だ。浦崎さんは小学校の教員免許を持っているが、資格者は少数で、更新を重ねても昇給はない。

 年3回契約更新が必要なことを勤めて初めて知らされた。授業のない夏休みは雇用がなくなると同時に社会保険も切れるため、その間、自分で国民健康保険や国民年金に加入しなければならない。

 業務ではクラスや学年をまたいで対象児童の支援に当たる。プールの時期は3時間以上水につかったまま、運動会の練習では1~6校時までぶっ通しで炎天下にいて体調を崩したこともある。だが、教員や校長からは業務の分担や体調を気遣うような声掛けはほとんどない。そんな“乾いた関係”にも気持ちがなえる。条件の悪さから、夏休み後に契約更新しない人も多く、入れ替わりが激しい。常になり手が不足している現状で、約5年の経験者は希少な存在だ。

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 浦崎さんは以前、知的障がい児が通う教育施設で働いた経験がある。育児が一段落して求職を考え始めた直後の支援員募集で「やりたい仕事に出合えた」と迷わず申し込んだ。だが、条件面の不満だけでなく、毎年配属先が変わり、継続的な支援ができないジレンマを抱える。「慣れたころに担当が変わり、年度初めは不安定になる子どもたちが多い」とこぼす。

 運営面や待遇面の改善を訴えた支援員の知人は、役所の担当者に「任用が切れるので今回で終わりますか」と返され、更新を止めた。「私も今年こそ辞めよう、今年こそ辞めようってそればっかり。でも、真っ正面から向き合ってくれる子どもたちが好き。できることなら継続して成長を見守りたい」と願う。次年度の募集が始まっている。継続するか、まだ結論は出せていない。(文中仮名)(学芸部・座安あきの)

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