■雨宮処凛さん(作家・反貧困ネットワーク世話人)

入居申請者が座るいす(手前)の真向かいにあるキャビネットの矢印部分に、「貧乏退散」のシールが貼られていた=28日、県住宅供給公社

雨宮処凛さん

入居申請者が座るいす(手前)の真向かいにあるキャビネットの矢印部分に、「貧乏退散」のシールが貼られていた=28日、県住宅供給公社 雨宮処凛さん

 神奈川県小田原市で1月、生活保護受給者の自立支援を担当する職員が「保護なめんな」とローマ字で書かれたエンブレムの付いたジャンパーを作成し、業務に当たっていたことが発覚し、大きな問題となったばかり。今回の「貧乏退散」と書かれたシールはそのまんまの表現で驚いた。そこを訪れる低所得の方が見たらすごく惨めな気持ちになり、怖くなると思う。

 単なる悪ふざけなのか経緯は分からないが、低所得者も訪れる窓口に貼ってはいけないナンバーワンの言葉であることは間違いない。

 小田原市への申し入れに参加して感じたことだが、ここでも相手を下に見る空気が職場になかっただろうか。シールが外部からの指摘を受けるまで問題視されず、窓口にずっと貼られていたことに差別的な意識を感じる。

 生活保護を巡る現場ではオーバーワークなどが指摘されることもあるが、役所の事情はどうであれ、窓口に来る人はみんな必死だ。そこはプロとして誠実に向き合わなければいけない。こうした問題を繰り返さぬよう、職員への定期的な研修や人権教育を続けていくシステムも必要だ。(談)

【関連】「何これ、差別?」 県営住宅の入居窓口に「貧乏退散」シール(2017年3月1日)