名護市辺野古の新基地建設で、キャンプ・シュワブ沿岸の臨時制限区域(常時立ち入り禁止区域)を示すブイやフロートの設置などの「仮設工事」費が、当初の59億6千万円から139億6千万円に膨らんでいたことが分かった。

 沖縄防衛局が、発注した業者との契約を1年9カ月の間に10回変更したためだ。工事費は約2・3倍に増大した。

 仮設工事は、本体工事前の準備段階で、浮桟橋の整備やブイなどの設置、陸や海での警備が含まれる。

 2014年の事業着手後、現場では抗議する市民が乗ったカヌーやボートがフロートを乗り越えたり、台風でフロートが流されたりするなどしたため、対策強化のために増額したという。

 米軍基地の工事費を巡っては、北部訓練場の一部返還の条件となっていたヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設事業でも、当初の5~6倍に大きく膨らんでいたことが判明した。抗議活動に対応するため、警備業務の追加や資材の空輸などが必要になったという。

 ヘリパッドは東村高江の集落を囲むように位置している。平和市民連絡会の北上田毅さんが情報公開請求で入手した資料によると、二つのヘリパッドと進入路などを整備するN1地区では、発注後に契約が9回変更された。その結果、工事費は約1億9千万円から約11億6千万円と6・1倍に膨らんだ。

 ヘリパッド1カ所を建設するG地区では、契約が8回変更され、約2億1千万円から約11億3千万円と5・4倍に膨らんでいる。

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 辺野古と高江。双方で共通するのは、住民生活や自然環境に大きな影響が懸念されることを無視し、米軍の意向に応じるために、日本政府が権力をむき出しにして工事を強行していることである。

 警備費が増しているのは、抗議活動を力ずくで押さえ込もうとするからだ。

 高江のN1地区については昨年8月、警備業務の追加で約6億円上積みされた。尋常ではない。

 契約変更を8~10回重ねるという方法も常識では考えられない。当初の入札の意味がなくなり、税金による事業の執行の在り方として異常だ。

 高江のヘリパッド工事を巡っては、盛り土したのり面の一部が崩れるなどの不備が確認されている。昨年12月の北部訓練場返還式典に間に合わせるための突貫工事が原因とみられる。日米両政府の都合を優先させたことで、ずさんな工事につながったのは明らかだ。

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 辺野古については、翁長雄志知事が新基地を造らせないことを県政運営の柱としており、大多数の県民が支持している。

 高江に関しても、新たなヘリパッドの運用によって沖縄の基地機能が強化され、集落上空を飛行するオスプレイによる騒音被害が既に出ている。

 地元の理解が得られないまま、基地建設の工事を強引に推し進めた結果が、予算面でも露呈した形だ。