沖縄の県立高校で卒業式があった1日、久米島高から島外出身の「離島留学」1期生4人が巣立った。うち2人は首都圏の出身。都会と違う島のぬくもりや自然に感謝し、それぞれの進路に向かって歩み始めた。

久米島高の「離島留学」1期生として、保護者や里親家族と卒業の日を迎えた(前列左から)宮城みのりさん、喜舎場弘望(ひろみ)さん、荒井竜馬さん、中村柊真さん=1日、久米島町の同校 

 大幅な定員割れが続いた園芸科廃止問題を受け、久米島町が2014年度から全国から募集した制度。普通科の荒井竜馬さん(18)が東京都、園芸科の中村柊真さん(18)が神奈川県からそれぞれ入学した。

 専用の寮が整うまでの2年間、身元引受人の「里親」の家から通った。手作り弁当を味わい、時に叱られ、笑い合った。島の人情を肌で感じた。

 荒井さんは「1回会っただけの人に車で送ってもらうなんて、しょっちゅう。危険だと考える東京より人の距離感が近い」と語る。離島医療に関心を抱き、医学部進学に挑んでいる。

 中村さんは園芸科の野菜栽培や鶏の解体実習などで命を育て、もらって生きる自然の形を学んだ。卒業生代表の一人として「神奈川では気付きもしなかった経験で、成長できた」と答辞を述べた。郷里で就職し「自力で稼ぐ」と力強い。

 海に潜ってエビやタコを捕り、現代版組踊を演じた高校生活。迎えた門出に、荒井さんは「沖縄を離れはしないと思う。いつか恩を返せたら」。中村さんは「島の全ての人にありがとうと言いたい」と感謝した。