不自然、不明なことがあまりに多い。ニュースを見ていて、どす黒い何かがあると疑うのもむべなるかなと思う。大阪の学校法人「森友学園」をめぐる問題である

▼学園の小学校用地となる国有地が、なぜあれほど割り引かれて払い下げられたのか。国会の答弁を聞いても、納得や解明には程遠い

▼事実の究明は当然だが、あんな教育を行う学校法人が堂々と現代社会に登場していることに、胸の中がざわざわとして、落ち着かなさを感じる人も多いだろう

▼「安倍首相がんばれ」「安保法制 国会通過よかったです」。学園が運営する幼稚園の運動会で、園児がこう選手宣誓をしていた。場にふさわしくない話である。戦前教育の基本理念を示した教育勅語も朗唱させている。時代錯誤の異様さに目や耳を疑う

▼「妻から教育に対する熱意は素晴らしいと聞いている」。安倍晋三首相は当初、同学園や理事長について好意的だった。後に距離を置く発言に変わるが、戦後日本の歩みを否定しがちな首相の考えと、学園の教育理念は近い

▼「安倍1強」の時代、この理事長のような考えの人たちが大手を振って表に出るようになったと感じる。排外主義のホテル、意に添わない人たちをおとしめる地上波テレビ番組…。登場する背景は同じだろう。この時代の雰囲気に危うさばかり募る。(宮城栄作)