生活習慣病の治療には内服療法も大切ですが、何といっても生活の基礎となる食事療法と運動が最も重要です。

 糖尿病や生活習慣病、腎臓病を専門としている私のクリニックに通院している患者さんたちも、正月や盆明けには多くの方が体重増加し血糖や脂質などの悪化を認めることが多いです。残念ながら沖縄県は長寿県から転落してしまい特に若年者の死亡率が高く、また日本一肥満率が高い状況が続いています。寿命を決めるのは遺伝が25%、環境因子が75%とされていますので食生活の欧米化や運動量の減少など環境因子の変化が主な原因と考えられます。

 それではどのような食事療法が望ましいのでしょうか。これまで何度も“なんとかダイエット”と銘打ったものが出ては消えました。特定の一つの食材さえ食べれば(あるいは食べなければ)減量でき健康を維持できるということはあり得ないですが、その後もこの手のダイエット法は消える気配はありません。

 105歳でなお現役の医師として活躍している日野原重明先生は、野菜と魚、オリーブオイルを中心とした食生活を長年継続しているとのことです。これは地中海食とされるものに近く抗炎症作用があり長寿に寄与することが証明されていますが、この効果も人種や個人の腸内細菌叢によって違うようです。一般的には我々日本人は野菜、魚、海藻などを中心とした和食が適していると思われ、できればご飯は玄米食にした方が健康に寄与することが琉球大学第二内科の研究でも証明されています。

 最近は糖質制限ダイエットがはやっていますが、確かに過剰な糖質(炭水化物)は制限が必要ですが適度な糖質は摂取する必要があります。一部の医師が推奨しているような炭水化物は一切摂取せず肉と卵となにかだけ食べればよいという極端なダイエット法は体重減少効果はあるものの、長期的効果は疑問で適切ではないと思いますし、そのような食生活は食事の楽しみも味わえず長く継続するのは困難です。

 目新しい事ではなく一般的な結論になりますが、野菜、魚、海藻、適度な動物性タンパク質等、いろいろな食材を過不足なく摂取することが大切ということになります。もちろん食べ過ぎは厳禁ですので腹八分で。また過度な飲酒も慎むべきです。私自身も“医者の不養生”と言われないように日頃から食生活に気を付け、定期的な運動を継続することで適正体重と健康を維持しています。皆さまも自分自身とご家族のためにもう一度食生活を見直してみてはいかがでしょうか。(上江洌良尚 うえず内科クリニック)