日本本土の武家が床の間に刀を飾るのに対し、沖縄は三線を飾る。伝統芸能を重んじる沖縄の人々の心を象徴している

▼その思いは脈々と受け継がれ、県内外に広がる。3月4日は「さんしんの日」。RBCiラジオの時報に合わせ、「かぎやで風節」を一斉に演奏する。25年目を迎えた今回のテーマは「輝」。三線の音を太陽として「世界に輝く」という思いを込めている

▼本日付の本紙特集面で、「さんしんの日」を提唱した上原直彦さん(78)は三線を「ウチナーンチュのソウル」と指摘している。沖縄の民の心を支えてきたのが音楽だったと力説する

▼厳しいけいこで、技と精神を鍛錬するのが沖縄発祥の空手・古武道。琉球古来の武術「手(ティー)」と中国から伝わった「拳法」が融合し、発展。海外にも広がり、愛好家は世界で1億人以上に上るという

▼同じ4日に、空手・古武道の聖地となる「沖縄空手会館」(豊見城市)が開館する。東京五輪の正式種目に採用されて注目が集まる中、原点である「伝統空手」の継承・発信に期待がかかる

▼空手・古武道の殿堂の幕開けを祝うように、各地で「かぎやで風節」の歌三線が響く。沖縄で開幕した女子プロゴルフの大会「ダイキンオーキッドレディス」での県勢の活躍もあり、県民にとって、これほどの「ほこらしゃ」(うれしさ)はない。(与那原良彦)