2017年(平成29年) 12月12日

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翁長知事への進言:呉屋守將オール沖縄共同代表「承認撤回、早く決断を」

 昨年12月の最高裁判決を受け、沖縄防衛局が名護市辺野古の新基地建設に向け海上作業を再開して4日で2カ月を迎えた。県は埋め立て承認時の留意事項に付した工事開始前の事前協議が整っていないとして工事の中止を求めているが、国は強行的な姿勢を崩さない。かつて、沖縄の痛みを知り、県民に寄り添う姿勢を示してきた政府、自民党とは一線を画す。一方、翁長雄志知事は「あらゆる手法で工事を阻止する」と強調するが、撤回の時期など県の対抗策が明示されないことから、県民の一部には不安や不信感も募る。翁長知事は政府とどう対峙(たいじ)し、県民に向き合うべきか。知事を支えるオール沖縄会議の呉屋守將共同代表(68)に話を聞いた。

政府に辺野古新基地建設を断念させるには、市民の粘り強い闘いと世論の構築が必要、と語る呉屋守將オール沖縄共同代表=3日、那覇市・金秀本社

-政府は辺野古で工事を強行している。

 「安倍晋三首相は口では県民の思いに寄り添いながら丁寧に説明するというが、工事を強行している。民主主義、地方自治にもとる行為であり、一刻も早く工事を止めるべきだ。辺野古工事を強行すれば嘉手納基地などほかの基地の安定的な運用にも影響する」

 -一方、県は辺野古の工事を止めるため有効な手段を示していない。

 「翁長雄志知事には4年間の県政を託した。全面的に信頼する。だが、オール沖縄、県民の中でも心配は募っている。県民の声を背に、必要な措置を必要なタイミングで繰り出すことが大事だ。それは、早い時期の埋め立て承認撤回だろう」

 -県は慎重だ。

 「撤回後の裁判で負けないよう弁護団と慎重に話し合っている。だが、昨年の最高裁でも分かったように裁判所は政府側の土俵だ。どれだけ用意周到に準備しても、裁判で勝てる見込みはないとみている。今大事なのは法廷闘争の行方より、早い時期の撤回を求める県内の政治的メッセージに応えることだ」

 -国は海に土砂を入れることで県民のあきらめムードの醸成を狙っている。

 「憲法は95条で特定自治体の自治権を制限する法律は住民投票がなければ成立しないとしている。沖縄では憲法違反状態が戦後ずっと続いている。県民は戦後70年、あらゆる我慢、苦渋を強いられてきた。不条理の連続だ」

 「それを変えられるのは我々の長い抵抗だ。仮に工事が99%進んだとしても、抵抗を続ける。辺野古の是非を問う県民投票も選択肢の一つだ。後世の子孫に、我々はこれだけ戦った、抵抗をしたという誇りを示すことができるか。県民も覚悟が問われている」

 -だが県民投票はリスクが高いとの指摘もある。

 「知事選などの選挙は県民の意思を示す機会だが、争点が広い。辺野古移設の是非に争点を絞れば、政府へ辺野古新基地建設に対する県民の本当の意思を伝えることができる。それは政府が嫌がり、怖がっていることだ」

 「その意味で、訪米は米側に『まだ沖縄は諦めていない』というメッセージを伝えるいい機会だった。県民は抵抗し続けることを米国に示し、米国から日本政府に辺野古以外も考えようと声を出してもらうことは有効だと思う」

 -しかし、国は5月にも護岸工事に着手する見通し。翁長県政に求められる対応は。

 「知事には辺野古の現場で、体を張って辺野古反対を示してもらいたい。前に知事の夫人が『万策尽きたら主人と辺野古に立つ』と語ったが、最後の手段ではなく、知事にはゲートの前に立ち『許さない』と拳を振り上げてほしい。すぐにでもできることだ」

(聞き手=政経部・大野亨恭)

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