沖縄県名護市辺野古沖の新基地建設予定海域で、沖縄防衛局から海上警備を請け負っているライジングサンセキュリティーサービス(東京都)が、残業代を支払わずに沖縄労働基準監督署から是正勧告を受けた問題で、未払い対象者が90人余りとなり、支払総額は約1億円に上ったことが分かった。残業は毎月、慢性的に発生していたという。(中部報道部・赤嶺由紀子、北部報道部・阿部岳)

辺野古の海上で警備するマリンセキュリティーの警備艇(※資料写真、2016年4月撮影)

 海上警備の現場業務は、ライジング社の100%子会社のマリンセキュリティー(沖縄市泡瀬)が請け負っている。

 残業代未払い分の対象者は、漁船をチャーターする「警戒船」で約40人、会社が所有するクルーザーなどを使う「警備艇」で約50人。当初、労基署に訴え、勧告対象となった8人を合わせると90人余りに上る。

 期間は、大成建設(東京都)が受注した工事業務に含まれた海上警備業務をライジング社が再委託された2014年から、ライジング社が警備業務を単独で受注した15~16年まで。

 同社の残業代未払いは昨年5月、月最大200時間以上の残業代が支払われていないなどとして、従業員らが沖縄労基署に申告して発覚。会社側は是正勧告に応じて従業員らに支払っていた。その後も同社は14~16年の未払い分を算出し、退職者を含めて支払った。

 一方、従業員との雇用契約解除の際には合意書を交わし、(1)今後相互に誹謗(ひぼう)中傷しない(2)不利益となる情報を開示しない(3)第三者から退職原因を問われた場合、円満退職したことのみ告げる-などの内容が盛り込まれている。

 防衛省は昨年5月の参院外交防衛委員会で、勧告対象の8人以外について「未払い分があるとの情報には接していない」と述べていた。ライジング社は本紙の取材に「監督官庁の指導に沿って是正を完了した」とコメントしている。