「家計が苦しくて進学すべきか悩んでいる。親に無理させてまで夢をかなえたいのかどうかも分からない」

 「本人は努力して成績はとてもいいのに、進学させられないのが親として情けない」

 家庭の経済状況が進路や生活にどう影響しているかを調べる県の高校生調査の中間報告がまとまった。

 昨年の「沖縄子ども調査」に続き、子どもの貧困の実態を把握するための調査だが、進路選択まっただ中の高校生とその親たちの声は想像以上に切実だ。

 調査は昨年11~12月、県立高校に通う2年生と保護者を対象に実施された。

 進路に関する質問で明らかになったのは、大学に進学したい、させたいという気持ちと現実に立ちはだかる厚い壁の存在である。

 「高校まででいい」と答えた生徒に理由を尋ねると、「進学費用が心配」「きょうだいの進学にお金がかかる」といった経済上の理由がかなりの割合を占めた。勉強や進学に対し意欲がないことを理由に挙げる生徒もいたが、それもまた経済状況と深く関わっているという理解が必要だ。

 子どもの進路決定に際し保護者が、成績や本人の意思を大事にする一方で「家庭の経済的な状況」を考慮しているという結果も出ている。

 調査対象の約3割が等価可処分所得127万円未満の困窮世帯で、沖縄の子どもの貧困率と29・9%と重なった。

 進学か就職かの選択は、困窮世帯かそうでないかで違いがあり、自助努力では変えられない現実を突き付けた。

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 もう一つ注目したいのはアルバイトに関する項目である。

 困窮世帯の生徒の半数近くが「現在あるいは過去にアルバイトの経験」があり、それも「週4日以上」が半数を超えた。

 「携帯代」「家計の足し」「学校の昼食代」などの使い道が示すのは、生活費や学校にかかる経費を自ら稼ぐ高校生の姿である。

 「高等学校等就学支援金」は所得に応じ授業料を支給する制度だ。しかしその中には制服や筆記用具、修学旅行費など学校生活に必要な費用は含まれていない。

 生徒の自由記述欄に「大学に行きたくてアルバイトでお金をためようと思っても、その分、塾に行く時間が限られる」と嘆く声があった。

 長時間のアルバイトが、勉強時間を奪い、意欲をそいでいくのではないか、心配だ。

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 今回の調査で浮き彫りになったのは大学進学率最下位の背景である。県内の2016年の大学等進学率は39・2%。全国平均とは15ポイント以上の開きがある。

 学歴は収入に大きな影響を及ぼす。1人当たり県民所得が全国最下位であることと進学率は無関係ではない。

 貧困の世代間連鎖を断ち切るのに大学進学は有効な手段である。生徒や保護者からは返済不要の給付型奨学金の拡充を求める声が寄せられている。

 教育にしっかりとお金をつけ、将来の沖縄を担う人材を育てていくべきだ。