沖縄県にある泡瀬特別支援学校の高等部3年生、石川茉莉花(まりか)さん(18)が、4月から好きな英語を学ぶため沖縄国際大学総合文化学部に進学する。小学生のころからずっと過ごした泡瀬を離れ、新しい環境に飛び出すのには不安もあるが「たくさんの友達をつくって、いろいろな体験をしたい」と目を輝かせた。(中部報道部・前田高敬)

4月からの進学に希望を膨らませる石川茉莉花さん=沖縄市の泡瀬特別支援学校

 出生時の体重がわずか788グラムだったという石川さんは、脳性まひのため手足が不自由で食事など生活全般に介助が必要。だがわずかに動く腕とiPad(アイパッド)を駆使して、勉強だけでなく無料通信アプリLINE(ライン)での対話も楽しむ快活な女性だ。

 中学2年の授業が楽しくてハマったという英語のスキルを大学でさらに磨き、翻訳家になるのが夢だ。

 12年間、ほぼ同じ友人たちと泡瀬で過ごした。校内なら電動車いすでスイスイ移動できるし「水が飲みたい」と言えば、近くにいる誰かが水筒を差し出してくれる。でも4月以降は「急にトイレに行きたくなったら誰に言えばいい?」、そんな不安もあるという。英語担当の中村雅美教諭も「みんなが生徒に目を配る泡瀬なら、ある意味“わがまま”も言えたが」と少し心配もある。

 これまで“当たり前”にあった周囲の親切をあてにはできない4月以降に備えて、学校側も大学に相談。現在は週2日の常駐の介助者を4月からは週5日に増やすなど大学側も積極的に対応した。心配が完全になくなったとはいえないが「時に失敗するのも子どもの権利。障がいがあるからと可能性を諦めさせてはいけないと思う」と国語担当の木村公子教諭は話す。

 「私が大学を楽しむ姿を後輩たちに見せ、進路を切り開く一人になれたら」。石川さんはそう言って照れたように笑った。