下地島空港(沖縄県宮古島市)と周辺の沖縄県有地計590ヘクタールの民間企業による整備事業で、県は8日、三菱地所(東京都)とFSO(北谷町)の提案事業を正式決定し、基本合意書を結んだ。三菱地所は国際線などの定期便を受け入れる旅客ターミナル、FSOはパイロット養成所を2018年に開業する予定。下地島空港は14年度末で航空会社が完全撤退し、県の一般会計から運営費を繰り入れており早期活用が課題となっていた。

基本合意書を結んだ翁長雄志知事(中央)とFSOの玉那覇尚也社長(右)、三菱地所の杉山博孝社長=8日、県庁

下地島空港の地図

基本合意書を結んだ翁長雄志知事(中央)とFSOの玉那覇尚也社長(右)、三菱地所の杉山博孝社長=8日、県庁 下地島空港の地図

 沖縄県庁で基本合意書を交わした後、翁長雄志知事は「いずれも成長著しいアジア経済のダイナミズムを取り込めるインパクトがある事業。県全体への波及効果が期待できる」と歓迎した。

 三菱地所は旅客ターミナルを整備し、完成後も自社で運営。プライベート機のほか、国際線や格安航空会社(LCC)国内線の定期便就航を働き掛ける。年間旅客数は25年に57万人を目指す。FSOは台湾や香港などアジアからの訓練生を呼び込み、国内外のパイロットを育成する事業を計画。操縦士免許の取得者を21年度の単年度で73人とする目標を立てる。

 三菱地所の杉山博孝社長は「世界に冠たるきれいな海を持つ地域。海外を含めかなりのエアラインから前向きな話をもらっている」と自信を見せた。FSOの玉那覇尚也社長は「操縦士を養成する学校とタイアップしたい。沖縄に新しい航空産業ができるのではないか」と語った。

 県は当初、2社とともに小型無人機の操縦技術者を養成するAAA(横浜市)、富裕層向けにリゾート開発する星野リゾート(長野県)を候補事業者として選定したが事業実施条件が折り合わず、合意に至らなかった。来年度以降、新たに事業者を公募する方針。

 下地島空港は1979年、航空会社の要望に基づき民間操縦士の訓練を主目的に県管理空港として開港した。しかし、シミュレーターを使った訓練の増加などから、訓練着陸回数は92年度をピークに減少。2010年に日本航空、14年に全日空が訓練をやめ、早期活用が懸案となっていた。

 県は14年、民間企業による事業案を公募。10案のうち4案を選び、事業計画などについて協議していた。