2017年(平成29年) 12月13日

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ロッテ大嶺ら育てた“島の名将”、60代にして初めて古里離れ… 「野球できるだけで幸せ」大分で甲子園目指す

 沖縄の高校野球を沸かせた島の名将が、再び聖地を目指して汗を流している。

「臥薪嘗胆」のスローガンを掲げたグラウンドから甲子園を目指す日本文理大付高の伊志嶺吉盛監督=大分県佐伯市・同高野球部専用球場

寮では寮監として選手たちと寝食を共にする

「臥薪嘗胆」のスローガンを掲げたグラウンドから甲子園を目指す日本文理大付高の伊志嶺吉盛監督=大分県佐伯市・同高野球部専用球場 寮では寮監として選手たちと寝食を共にする

昨年夏、八重山商工高を勇退した伊志嶺吉盛さん(63)は、同12月に大分県の日本文理大付高の監督に就任し、36人の部員たちと共に日々グラウンドに立つ。「ここに来るときに覚悟は決めてきた。3年以内に甲子園に行く」。教える場所が変わっても、野球への情熱は衰えることを知らない。(我喜屋あかね)

 八商工では2006年、現ロッテの大嶺祐太投手らを擁し、春夏連続で甲子園に出場。全国の離島勢で初めて自力で甲子園切符をつかんだ快挙だった。

 昨夏、監督を退任した後「心に穴が空いた感じ。悶々(もんもん)として引きこもっていた」という。監督就任の話が舞い込んだ昨秋、家業のため新しく清掃車を購入したばかりだった。県外での生活も初めてだったが「野球ができるだけで幸せ。タダでもいいから雇ってほしい」と即決した。

 同校は甲子園出場がなく、昨夏の県大会は初戦敗退だった。両翼95メートル、中堅120メートルの専用球場を備えるなど練習環境は整うが、「バットが振れないし、体力もない。しっかりとした練習がされていなかった」と、選手の第一印象を語る。

 「ゼロからのスタート」と位置付け、基礎練習から始めた。通常より重い1・2キロのバットや丸太を持たせたり、タイヤを引きながらノックを受けさせたりと、徹底的に体を鍛えた。

 また、練習の合間に丼2杯の白米を食べる食トレを導入。1カ月半で選手の体重は平均5キロも増えた。1年生投手の廣瀬良太郎は「球も速くなり、変化球も切れが出てきた。疲れにくくなっている」と成長を実感する。

 球場近くの寮で寮監も務めているため、寝食を選手たちと共にする。寮生で1年生の坂本翔汰は「練習でも寮でもずっと野球の話ばかり。案外笑顔で優しい」と白い歯をこぼす。

 初陣となる春の大分県大会(25日開幕)は、27日の2回戦から登場する。まずはベスト8が目標だ。「今まで本気で甲子園を考えたことがなかった」という廣瀬は「自分たちでも行けると思えるようになった。県大会優勝も夢じゃない」と意気込む。

 4月には指揮官を慕って沖縄からも新入生が入学する。伊志嶺監督は「ベースボール・イズ・マイライフ。60歳を過ぎて新しい挑戦ができるのは本当に幸せなこと。初心を忘れず、死に物狂いでやる」。新天地・大分で旋風を巻き起こす。

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