「これからが、これまでを変えていく」は本作のキャッチコピーだ。

「しゃぼん玉」の一場面

 人生をリセットできたらと何度も思ったことがある。だが、たとえ分岐点で今の逆を選択しても、損得の得を確実に見極めても、一定の量で不満も不幸ものしかかってくるものだ。リセットを繰り返すだけでは、何の幸福感も感謝もないまま息絶えてしまうだろう。

 罪を犯した青年が、逃げ込んだ村で自然の恵みと豊かな愛情に触れ、刹那的に生きてきた自分の「これから」を見つめ直していく。宮崎の美しい農村風景を舞台に、互いに孤独な魂をもつ老婦人(市原悦子)と青年(林遣都)が寄り添い、誰かのためにと生きる力を取り戻す様に、残り時間のぐっと少なくなったこの身は反応してしまった。何ができるのか、これからを考えてみることにしよう。(スターシアターズ・榮慶子)

◇シネマパレットで上映中