「私は韓国と結婚した」。独身の訳を聞かれた韓国の大統領、朴(パク)槿恵(クネ)氏(65)は以前、こう語っている。それだけ韓国、韓国国民に対する強い思いが表れたエピソードだろう

▼1961年に軍事クーデターを起こした朴正煕(チョンヒ)元大統領の娘。22歳で母親、27歳で父親が暗殺され「悲劇のヒロイン」とも呼ばれた。61歳で同国初の女性大統領に就任。支持率は最高67%に達した

▼その大統領から一瞬で私人に。憲法裁判所の裁判官8人が全員一致で、同国建国以来初めて罷免を言い渡した。6人以上の賛成が必要なため棄却・却下され復職するとの憶測もあったが、任期途中の4年で幕となった

▼憲法裁は、職権を乱用し、親友の崔(チェ)順実(スンシル)被告のために国政や利権への介入を許し支援したのは、憲法違反、国民への裏切りと断じている。地位を私物化した朴氏は「申し上げることはない」と述べただけ

▼弾劾の結果に関心を持ち続けていたという県内に住む韓国出身の40代男性は「国民のためでなく、個人や周りのために権力を使ったことは許せない。国民の気持ちが通じた。ホッとした」

▼韓国経済に大きな影響を与えている財閥との癒着も指摘されている。闇は深い。今後の行方が注目されるが、真相究明され、韓国社会の健全な発展につながることを願ってやまない。(玉寄興也)