チェリスト 上地さくらさん(37)=宜野湾市出身

 オーケストラでの演奏に加え、テレビドラマや音楽番組への出演、舞台の演技指導とマルチに活躍する。

クラシックからテレビ、舞台と活躍の幅を広げている上地さくらさん=東京・渋谷区のレッスンルーム

 最近では、TBSテレビで放映中のドラマ「カルテット」で、県出身の女優・満島ひかりが弾くチェロの演技指導や音源の吹き替えを担当している。

 曲に合わせ、演奏の仕方を手ほどきする。本当に弾いているように見せるため、体が覚えるまで反復練習を繰り返す。互いに不自然な動きになるのが嫌で、“レッスン”は熱を帯びる。「満島さんはストイックに練習するので、番組ではカットすることなく使えます」

 一昨年、舞台「夜想曲集」でも主演の東出昌大の演技指導を担当し、2006年にはテレビドラマ「のだめカンタービレ」にも出演し、演奏を披露した。

 ビートたけし、浜崎あゆみ、五木ひろし、EXILE、B’z…。テレビでの演奏サポートや、レコーディングで関わったスターの名前は数多い。

 「人のつながりに恵まれて、今の仕事ができている。楽しく充実感がある」とあくまでも謙虚だ。

 8歳でチェロを習い始めた。天才チェリストといわれたイギリスのジャクリーヌ・デュ・プレのCDを聴き、憧れた。12歳でプロになると決心。1990年に音楽学部が設けられた県立芸術大学の庭野隆之氏から本格的にレッスンを受けるようになった。

 練習に明け暮れた青春時代。「課題をクリアしていくのが楽しくてしょうがなかった」。つらいとか、やめたいとか思ったことは一度もない。東京芸術大学、英国王立音楽院大学院と究める道を進んだ。

 学生時代から、先輩の紹介でテレビの仕事やオーケストラの出演をこなしていた。帰国後もそのつながりは生かされ、仕事で掛かる声は広がった。クラシック界でやっていけないと「負け」だと思っていたが、プロとして活躍していることに変わりない。

 「思っていたのとだいぶ違う生活になったけど、活動の幅や人脈、見識が広がっている感じがする」

 沖縄の海、風の音を聞き自然の中で育ったことが「宝物」と、故郷へ感謝する。しばらくは仕事のサイクルがいい形で回っている東京でチャレンジを続ける。目標は「一日でも長く現場に立ち、仕事を誠実にこなすこと」と話した。(東京報道部・宮城栄作)

 うえち・さくら 1979年、宜野湾市生まれ。5歳でピアノ、8歳でチェロを始める。開邦高校、東京芸術大学音楽学部を卒業し2003年に渡英。英国王立音楽院大学院を修了し05年に帰国した。東京フィル、日本フィルなど数多くの楽団で演奏。クラシック、ポップス、テレビ、舞台と多ジャンルで活躍中。