2017年(平成29年) 12月13日

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辺野古新基地:政府「許可は不要」岩礁破砕の再申請しない方針 4月以降も工事継続

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局は3月末に期限を迎える岩礁破砕許可の再申請をしない考えを15日にも県へ伝える方針を固めた。許可は不要とし、4月以降も工事を続ける。許可を必要としている県が強く反発するのは必至で、県は無許可の状態での工事を確認した場合、県漁業調整規則違反に当たる可能性があるとして、行政指導や検察庁への告発などを含め、対抗策を打ち出す構えだ。

名護市辺野古沖(資料写真)

 本来、埋め立て工事を進めるためには岩礁破砕許可が必要だ。だが政府は、名護漁業協同組合がシュワブ沖の常時立ち入り禁止区域「臨時制限区域」(561ヘクタール)全ての漁業権を放棄する手続きを取ったことから、県漁業調整規則に基づき「漁業権が設定されていない漁場では許可は必要ない」と判断した。

 翁長雄志知事は、知事権限のうち岩礁破砕許可は「工事に大きな影響を与えうる」と重視している。政府の判断は、工事の中断を警戒し、知事権限の効力を無力化する狙いもある。

 政府関係者によると、14日、水産庁は防衛省に、これまでの国会答弁や水産庁長官の通達などを踏まえ、漁業権は消滅しているとする防衛省の見解に相違はないとの認識を示した。

 一方、県は工事海域には現在も漁業権が設定されているとの立場だ。2月には防衛局へ、4月以降も工事をするには新たに岩礁破砕許可を得る必要があると文書で通知し、漁業権の縮小には漁業法に基づき知事の変更免許を受ける必要があると指摘している。

■漁業権消滅 政府と県に認識の違い

 名護市辺野古の新基地建設工事で新たな岩礁破砕許可を巡る政府と県の認識のズレは、漁業権に関する見解の相違が背景にある。政府は漁業権の消滅に関して事前に水産庁と協議するなど周到に準備し自信をのぞかせる。一方、県は許可が切れる4月以降も沖縄防衛局が埋め立て工事を続けた場合、行政指導や県漁業調整規則違反での刑事告発も視野に対応を検討しており、対立は深まりそうだ。

 政府は当初から、期限切れを迎える3月末までには県に「許可不要」の考えを伝える意向だった。

 防衛省は昨年11月に名護漁協へ漁業権の放棄を打診する前から水産庁や法務省などを交え、法律解釈を協議。漁業権の消失とそれに伴い岩礁破砕許可が不要であることを確認した。防衛省幹部は「水産庁のお墨付きだ」と自信をみせる。

 許可が切れる約2週間前に県へ伝達するのは、政府側の「正しい」主張を広く発信することに加え、事前説明により国内世論に「強引」との印象を与えないことが狙いだった。

 一方、県は辺野古の工事海域は名護漁協が持つ漁業権の一部で、この部分のみを放棄し漁業権を縮小するには知事の変更免許を受けなければならないと指摘。名護漁協はこの手続きを経ていないため「工事海域の漁業権はまだ設定されており、埋め立て工事を続けるには新たな岩礁破砕許可が必要だ」としている。

 県はこうした立場の根拠として、過去の国会答弁や水産庁長官の技術的助言を挙げる。ただ、政府との認識の食い違いが明らかになって以降、水産庁に見解を問い合わせていない。「正式に政府から申請しないと連絡があったわけではない」というのが理由だ。

 政府から許可申請しない意向が伝えられれば、水産庁に見解を確認した上で「何らかの措置を取る」としている。

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