沖縄県南城市に住む梶原治代(かじはら・はるよ)さん(57)は剣道、居合道(いあいどう)、杖道(じょうどう)の三道の修行に励み、すべてで有段者という腕前だ。それぞれの奥深さに魅了されるとともに、武道を通して築いた人脈は「宝物」。剣道と居合道は5段、杖道は4段で「学生時代にも取ったことがない、オール5を達成するのが夢」と精進を重ねる。(社会部・新垣綾子)

剣道を教える「錬磨会」の子どもたちと梶原治代さん(中央)。この日は居合道と杖道の武道具も持参した=南城市・大里北児童館

 知念高校で最初に始めたのが剣道。夫の芳也さん(58)とは、初段を取得した琉球大学時代に出会った。卒業以降は剣道から遠ざかっていたが、警察官の芳也さんらの指導の下、長男景之(かげゆき)さん(31)が中学1年で段位試験に挑戦するのを機に、40歳で再開した。「約20年ブランクがあったが、息子たちの頑張りに負けてなるかという気持ちが湧いた」

 間もなくカルチャースクールで居合道を、さらに杖道も習い始めた。互いに打ち合う剣道に対し、刀剣で仮想の敵を斬るのが居合道。杖道は自ら攻撃せずに、斬り付けてくる太刀を制圧する。特徴は違うが、礼節や姿勢を重んじる点で共通し「普通の主婦でも、一生懸命やっていれば結果が付いてくる」と夢中になった。剣道は芳也さんが代表指導者を務める南城市スポーツ少年団「錬磨会」で週3回、幼児から成人まで30人近くを指導する。居合道、杖道を含めると、月曜日以外は道着に袖を通し「昔は話し下手だったが、たくさんの人とつながる中でずいぶんゆんたくになった」と目が輝く。

 梶原さんに居合道と杖道を手ほどきする県剣道連盟の竹田忠司副会長(60)によると、5段を取るまでの年月は最短で各12~13年。「助言や指導を素直に受け止め、一心に稽古に励む努力家。三道すべてを経験しても、同時並行で修行する有段者は、県内では彼女1人ではないか」とたたえる。

 2月下旬、錬磨会の稽古に参加した最年少は4歳。梶原さんは「大河ドラマをきっかけに入会した子もいる。最近はバスケ人気に押されがちだけれど、多くの子どもたちに武道に親しんでほしい」とほほ笑んだ。