沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局が4月以降、新たな岩礁破砕許可を申請しない問題で、県は水産庁が防衛局に示した「破砕許可は必要ない」との見解への詳細な説明を求める文書を来週にも水産庁へ送付する。水産庁が過去に示してきた見解と今回の新たな解釈の相違点を具体的に明示し、矛盾をあぶり出したい考えだ。

ブロックが投下される辺野古の海(資料写真、2017年2月撮影)

 水産庁は2012年6月、10年に一度、全国一斉の漁業権切り替え手続きの際に各都道府県へ提示する「技術的助言」の中で、組合総会の議決で漁業権の変更(一部放棄)の契約が交わされても漁業権は変更されるものではないとの見解を示した。

 県は、この助言と今回の新解釈は「明らかに矛盾する」と問題視している。県は、漁業権変更などの手続きで、この助言を前提とした事例がないか全国の行政実例を洗い出し、変遷している見解の矛盾点を突きたい考えだ。

 助言以外にも、政府は公式見解として漁業権変更には知事の免許が必要などとの認識を示してきた。一方、水産庁は14日付の防衛省への回答で(1)漁業法31条に基づく組合員同意(2)水産業協同組合法50条に基づく特別決議-を経て漁業権を放棄すれば知事の変更免許がなくとも漁業権は消滅するため、破砕許可は必要ないとの新たな解釈を示した。

 県漁業調整規則39条は、漁業権が設定されている漁場内で岩礁を破砕したり、土砂や岩石を採取したりしようとする場合は知事の許可を受けなければならないと定めている。

 防衛局は、名護漁業協同組合が米軍キャンプ・シュワブ沖の「臨時制限区域」の漁業権を放棄する手続きをとったことを理由に「漁業権は消滅し、漁業権の設定されている漁場に当たらない」と判断。今後、岩礁破砕許可を得る必要はないという認識だ。

 県は漁業権は設定されたままだとして「岩礁破砕許可は必要だ」と指摘。防衛局が主張するように漁業権のない「空白区域」にするには、知事の変更免許を受ける必要があるとしている。