20年前、青年海外協力隊員の取材で訪ねたネパール。胸の前で手のひらを合わせ「ナマステ(こんにちは)」のあいさつを何度も交わした。カメラを向けると人懐こい笑顔を見せる子どもたちが印象に残っている

▼日本との距離は遠く、沖縄から行くのも不便だ。もうネパールの人と会うことはないかもしれないと思っていた。ところが今、コンビニの店員として見掛ける機会が多く、驚きだ

▼昨年から今年にかけて、本紙でネパール人留学生に関する報道が続いている。2千人近くいる留学生は、働きながら日本語学校に通うが、不法就労や仲介業者による書類偽造が報じられている

▼おととしのネパール大地震や民族紛争で経済が悪化。留学生が増えたのは、国内に仕事が見つからず、海外へ職を求める人が多くなったからだという。生活のために就労目的で来る人も多い

▼昨年まで2年間、現地で農業指導した石垣市出身の坂本守章さん(64)は「沖縄の人と似て楽観的。生活のスピードはあまりにも違うが、機会があればまた行きたい」と意欲を見せつつ、今後の行方を心配する

▼元留学生が沖縄の生活に失望し「思い出したくない」「もう行きたくない」と語っている。言葉や文化の壁は大きいが、彼らが住みやすい環境整備を急ぐべきだ。悪いイメージを持って帰ってほしくない。(玉寄興也)