作家の北原みのりさんを招いた「性と国家」講演会(主催・同実行委員会、共催・沖縄タイムス社、那覇市)が19日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで開かれた。北原さんは韓国内で「性売買」問題の解決に向けて行動する団体の活動や、これまでの女性運動の取り組みを説明。「女性たちが連帯して闘ってきた歴史を再評価し、世代を超えて語り継ぐことが重要だ」と訴えた。

「性と国家」について語る作家の北原みのりさん(左)と山城紀子さん=19日、那覇市・県男女共同参画センターてぃるる

 2013年に橋下徹前大阪市長が「慰安婦制度は必要だった」と発言したことを機に、「性売買」と「慰安婦」問題をこれまで以上に掘り下げるようになった北原さん。女性が性について声を上げるのは、単純に公権力と闘うことではないと指摘した上で「重要なのは一般的な男性が考える社会、文化、歴史の在り方を女性側から語り直すことだ」と述べた。

 15年には韓国にある戦前の日本の遊郭跡と在韓米軍基地周辺の買春施設、買春の現場で犠牲になった女性たちを慰霊するため、2006年に始まった「タンポポ巡礼団」に参加。「記憶をとどめ、その証言者となりましょう」というリーダーの言葉に感銘を受けたと振り返った。

 ジャーナリストの山城紀子さんは、00年12月に東京で開かれた日本軍「慰安所」制度を裁く女性国際戦犯法廷を取材した時の様子を報告。証言しようとした元慰安婦の女性が壇上で突然倒れてしまった状況を目の当たりにし、「沈黙を強いられてきた当事者が証言するということが、どれだけ大変なことかを実感した」と述べた。

 約200人が参加。那覇市の比嘉美早紀さん(30)は「『性被害』を男性視点で肯定的にみる社会に違和感を覚えていたが、今日を機に、女性や自身の権利を主張してもいいのだと勇気付けられた」と語った。