ロックを詳しく知らずとも、1955年にタイムスリップした主人公がエレキギターで軽快に奏でた曲といえば、ピンと来る人も多いかもしれない

▼米映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のワンシーン。18日に90歳で亡くなった米ミュージシャンでギタリストのチャック・ベリーさんの名曲「ジョニー・B・グッド」だ

▼ベルを鳴らすようにギターを弾く田舎の少年の夢を歌い上げた。少年は、「黒人」を想定したともいわれる。黒人差別が激しかった時代。カントリーなど白人音楽の要素も取り入れて独自の音楽を築いた

▼ギター演奏の巧みさだけでなく、既存のサウンドと新しいものとの融合、若者の姿と心情を切り取り、ロックの基礎を作り上げた。「ロックンロールの父」と呼ばれるゆえんだ

▼影響を受けたという米英のロックミュージシャンからは追悼の言葉が絶えない。ローリング・ストーンズは「ロックの真のパイオニア。彼の歌は永遠に生き続ける」と声明を出した。歌手のレニー・クラビッツさんは「あなたなしでは誰もここにたどり着けなかった」と悼む

▼ベリーさんはこんな言葉を残している。「あなたの意志が本当に強い時、驚くほど多くのことを学ぶことができる」。強い信念が、どんな時代でも「ゴーゴー」と進むすべだと教えてくれている気がする。(赤嶺由紀子)