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  • ドクターヘリ運航のNPO法人が全国で初めて、自前の救急車を運用
  • 消防隊の搬送負担を減らそうと約100万円かけて中古車を改造した
  • 改造した運転手兼助手の救命士は「救急病院に屋上ヘリポートを」

 【名護】ドクターヘリを運航しているNPO法人メッシュサポート(小濱正博理事長)が、ヘリポートから病院までの搬送時間をより短縮しようと、“手作り”の救急車の運用を始めて1年を迎えた。昨年3月からの1年間で、出動回数は174件。メッシュによると、NPOがヘリと救急車を連携して運用するのは全国で初めて。ほかに例のない取り組みは、メッシュの救急救命士のアイデアと創意工夫から生まれた。(玉城学通信員)

赤色灯やサイレンなどを取り付けた手作りの救急車と(写真左から)救急救命士の宮城さん、森元さん、新里さん、整備士の成瀬さん=名護市宇茂佐・メッシュサポートのヘリポート

赤色灯やサイレンなどを取り付けた手作りの救急車と(写真左から)救急救命士の宮城さん、森元さん、新里さん、整備士の成瀬さん=名護市宇茂佐・メッシュサポートのヘリポート

 従来はヘリポート到着後、各地域の消防隊が病院までの搬送を行ってきた。しかし、搬送作業は消防隊員の本来業務ではなく、メッシュ側の懸念材料でもあった。

 気に掛けていた救急救命士の宮城元樹さん(29)は、メッシュ独自の搬送車両があれば消防隊の負担軽減になると考え、昨年1月にワゴンタイプの中古車を購入。2カ月かけて赤色灯やサイレンなどの装備を同僚と手作りで整えた。陸運事務所で車検を受け、県警から緊急走行許可を受けてオリジナル救急車の運用がスタート。

 救命士3年目の新里陽太さん(25)は「赤色灯やサイレンの部品はインターネットのオークションで取り寄せ、溶接した。毛布やシーツを入れる収納箱はホームセンターで材料を買って作った」と話す。

 リーダーで6年目の宮城さんは「酸素ボンベやストレッチャーも完備している。制作・使用はメッシュで、所有は北部救急クリニックにした」と説明。2年目の森元一晟さん(25)は「救命士が運転手と助手を務め、医師と看護師がそのままヘリから救急車両に乗り込んで病院へ搬送している」と語る。

 ヘリ整備士の成瀬勝美さん(69)は「救急救命士のチームワークとアイデアには脱帽」と目を細める。宮城さんらは「救急車は約100万円でできた。お金を掛けなくてもできる」とし、「でも北部地域に屋上へリポートを持つ救急病院ができることが望み」と話した。