【うるま】任期満了に伴ううるま市長選が、4月23日の投開票日まで1カ月に迫った。立候補を予定している現職の島袋俊夫氏(64)=無所属、自民、公明推薦=と、新人で元県議の山内末子氏(59)=無所属、社民、共産、社大、自由、民進推薦=に選挙戦の争点や経済振興、子育て施策などについて考えを聞いた。

政策について語る山内末子氏(左)と島袋俊夫氏

次世代育成に重点置く

 島袋 俊夫氏 

 -現在のうるま市の状況をどうみるか。

 「失業率の改善と地域活性化、子育て支援をメインに掲げてやってきた。企業誘致で90社以上が立地し、雇用も9千人以上増えた。学校施設の改築や農水産業拠点施設の整備など、市の自立に向けた基盤が整備できた。農漁業はまだ就業の余地がある。認定農家での研修事業で、農業人材も育ってきた。市民がさまざまな産業に就業できるよう、間口を広げていく」

 -子育て支援にどう取り組むか。

 「1期目から積み上げた子ども夢基金が現在10億円近く積み立てられている。それを活用し保育園など拡充を図る。子育て支援対策班を設置し、待機児童の解消に努める。併せて4月1日からは小学生、中学生まで通院医療費の助成を拡充する。将来的に医療費ゼロに向けて取り組んでいく」

 -経済振興策は。

 「中城湾港や勝連城跡周辺の環境を整備し、観光誘客を進める。与勝庁舎跡にはホテルの建築に向けて協議が始まっており、民泊事業も進んでいる。石川地域も大型商業店舗の立地が決まり、市内は広範囲で活気が出てくる。中部に3カ所ある世界遺産を生かし、観光資源の活用を図っていこうということで、中部広域圏事務組合で事業をスタートさせている」

 -行財政改革は。

 「返済を見据えた中長期的な財源計画を立てている。合併特例債の返済については心配していない。業務の一部を民間委託し、経営感覚で行政を推進していく。公的施設を指定管理制度に移行するなど行政のスリム化を図っていく」

 -市の基地被害解消にどう取り組む。

 「昨年4月に軍属による暴行殺人事件があった。基地提供者である国に対し、徹底した対策を要望し警察力の強化を求めた。市内の広範囲で騒音の苦情も上がっている。コンターの見直しについては、地域の実情を反映したものにしてほしいと要請している」

 -選挙戦の意義、争点をどうみる。

 「合併後の行政運営への賛否を問う選挙になる。うるま市は、まだ自立に向けた基礎が固まった状態。子どもの未来のための支援を重点施策に掲げている。それを市民にも訴えていく」

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 しまぶく・としお 1952年、市天願出身。沖縄国際短期大学卒。2009年の市長選で初当選。13年に無投票で再選した。

閉塞感打破へ市政刷新

 山内 末子氏 

 -現在のうるま市の状況をどうみるか。

 「合併して人口が県内3位の都市になったにもかかわらず、市民所得は県内39位、失業率もワースト1位と、閉塞(へいそく)感が渦巻いている。次の国勢調査で多少は改善がみられるかもしれないが、上位に食い込むような数字は見込めないのではないか。待機児童が多く、子育て世代が働きたくても働けない現状があることも、就業の壁になっている」

 -子育て支援にどう取り組むか。

 「就業率の改善と関連して、待機児童の解消が重要。認可外保育所の補助で保育料を低減し、市内の空き施設で小規模保育を実施できないかなど、市独自の保育制度を整備していきたい。学童の待機児童数も県内ワースト1位。中高生や高齢者との世代間交流を含めた複合的な施設整備を進めたい。市長の給与をカットし退職金をなくすことで、子育て支援のための基金を設立する原資としたい」

 -経済振興策は。

「石川庁舎の跡地に、観光人材を育成する教育機関を誘致したい。言語の習得や観光客の宗教など、いろいろな状況に対応できる人材を育て、観光業の発展と地域振興につなげる。与勝方面では、マリンスポーツの大会やリゾートウエディングを誘致していく。東西に長い市の地形では交通アクセスの改善も必要。鉄軌道も含め、中長期的な交通網の整備を進めたい」

 -行財政改革は。

 「2年後に始まる合併特例債の返済に向け、事業の一つ一つを見直し取捨選択していく。一般会計だけでなく、特別会計や外郭団体の会計も含めて根本的にチェックする」

 -市の基地被害解消にどう取り組む。

 「これまでの事件事故や今後の基地負担について、政府に対してノーと強く訴えたい。騒音被害も拡大している。訓練の廃止や区域の制限などを政府に訴えていく。飛行差し止めがすぐにできないのであれば、住民への補償が当然。防音工事の拡大を主張する」

 -選挙戦の意義、争点をどうみる。

 「今のままの市政でいいのか、私と一緒に活力ある市政をつくるかを市民に問う選挙になってくる。女性だからこそ見える部分について、市民の声を聞き、不平や不満は選挙で解消できるということを訴えたい」

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 やまうち・すえこ 1958年、市石川出身。帝京大学卒。2008年の県議選で初当選。立候補に向け3期目で辞職した。